NOVEL REVIEW
<2005年02月[中盤]>
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02/20 『バッドボーイ×バッドガール』 著者:卯月勇太/ファミ通文庫
02/18 『渚のロブスター少女』 著者:あきさかあさひ/ファミ通文庫
02/17 『カエルと殿下と森の魔女 緑竜亭繁盛記』 著者:橘柑子/ファミ通文庫
02/15 『キリサキ』 著者:田代裕彦/富士見ミステリー文庫
02/14 『食卓にビールを3』 著者:小林めぐみ/富士見ミステリー文庫
02/13 『風月綺』 著者:皇城一夢/富士見ミステリー文庫
02/12 『BAD×BUDDY 12月の銃と少女』 著者:吉田茄矢/富士見ミステリー文庫
02/11 『まおうとゆびきり』 著者:六甲月千春/富士見ファンタジア文庫


2005/02/20(日)バッドボーイ×バッドガール

(刊行年月 2005.01)★★★ [著者:卯月勇太/イラスト:川添かずさ/エンターブレイン ファミ通文庫]→【
bk1】    第5回エンターブレインえんため大賞『東放学園特別賞』受賞作。  色々と興味を刺激する面白そうな設定を注ぎ込んでいる割に、それぞれの要素をあまり 上手に活かせておらず、ストーリーの組み立てとか描き方がえらく大雑把だな〜という手 応えでした。何でこんなに様々な事情がことごとく把握し辛くてごちゃごちゃしてるんだ ろう……と思うのは、多分整理がついてない上に致命的に掘り下げが足りてないから。  結局最後までこの物語の何処に楽しみを求めて読めばいいのか掴み切れなくて。CIA とテロ組織のそれぞれの目的やお互いの関係、その中に属する人達の事情や他の者との繋 がり、そしてマサトとメグミに施された『共有化』という実験の詳細など、どれを取って も説明描写が全然足りてない。なのにそれらを複雑に絡めるだけ絡めている為、更に何を 描いているか分かり難くなり、結果全体的な纏まりを欠いてしまうという悪循環。  いっその事何の役にも立ってない癖にややこしさだけには拍車を掛けている、日本の警 察達を根こそぎ無くしても良かったんじゃないかな? とか思ったりもしました。殺伐と した空気の緩衝材となっている青木が個人的に巻き込まれる程度の関わりで。その分『共 有化』の実験に翻弄され、敵味方で再会したマサトとメグミの兄妹にもっと焦点を当てて 欲しかった(本当はこの兄妹関係を最も盛り上げるべきだったと思うんだけどなぁ……)。 2005/02/18(金)渚のロブスター少女
(刊行年月 2005.01)★★★★ [著者:あきさかあさひ/イラスト:MATSUDA98/エンターブレイン ファミ通文庫]→【
bk1】    第6回エンターブレインえんため大賞『優秀賞』受賞作。  自分は誰かに対して本当はああしたいこうしたいと考えていても、その前に行動を起こ した時の相手の反応を気にし過ぎてあと一歩先へ踏み込めないというみおの性格。どうや ら個人的な傾向がみおのそれと近いからなのか、「あ〜そういう気持ちって分かる分かる」 ってな具合でした。何かメインは“変人兄貴の巧みな言葉にうまく言い包められた妹によ る正義の味方ストーリー”と思い込んでたのだけれど、ちょっと違ってたみたいです。  と言ってもそこら辺の要素が無い訳じゃなくて、でもそれは表向きの派手な外見であり 真に描きたい事をうまく包み込んでいる役割のように思える。感触としては『引っ掛かっ た』と言うのがより近いかな? 勿論良い方の意味で。要はRユニットを纏った正義の味 方として、どこぞの悪とドンパチやるような単純構造なのかなと考えてた訳ですよ。  ところが、蓋を開けてみたら主人公みおの心の成長物語という真っ当な仕上がり。いや、 表向きがいかにも真っ当でないだけに、奥の方で描かれていたものに気付いた時、それが 光って見えたのかも。私はやっぱり冒頭の“手を差し伸べる為に踏み出す一歩”が踏み出 せないみおの姿――これが相当気になってました。だから泳げないのも含め、ほんのちょ っとずつでも自分自身を変えていこうと頑張る彼女の姿がとても印象に残っていて、冒頭 と同じようなラストシーンによって成長の証を見れた事が凄く嬉しかったのですよね。  兄貴の趣味のついてはとやかく言いません。なんでこんな奴が好かれるんだ(みおやゆ ーみだけでなく京子さんまでとは)このやろー……ともなるべく思わない。まあ性格に難 ありだけど話を盛り上げる役割は担っているし、何より妹思いなのは確かな所だし。  後半の展開がちょっと物足りない雰囲気もありましたが、表層の正義の味方をうまく利 用したみおの成長努力の描き方はとてもいいなと思えた物語。次も迷わず手に取ります。 2005/02/17(木)カエルと殿下と森の魔女 緑竜亭繁盛記
(刊行年月 2005.01)★★★★ [著者:橘柑子/イラスト:堤利一郎/エンターブレイン ファミ通文庫]→【
bk1】    第6回エンターブレインえんため大賞『優秀賞』受賞作。  人外魔境の闇の森のすぐ側にある旅籠兼食堂『緑竜亭』。そこの一人娘として、近所の 人間達と闇の森の人外さん達とをまとめて相手しながら働く“戦う看板娘”ことリュンの 奮闘記。これはもう方向性が完全に登場キャラクターを重視した描写で、特に一人称視点 のリュンが徹底的に描かれている。とにかく最初の三分の一程まで話を殆ど進めずに緑竜 亭内の騒動劇をリュン視点で描いているもんだから、嫌でもキャラクターの特徴が頭の中 に焼き付いたりする。そして「騒いでばっかりで話が全然先に進まね〜ぞ」という気持ち も、不満じゃなくて「しょうがないな〜」と苦笑しつつの楽しさで読ませてくれる。  簡単に纏めてしまうと登場キャラクターがずば抜けて面白い物語。たとえストーリー内 容を忘れようとも、リュンや緑竜亭の常連客どもの姿は忘れたくてもそう容易くは忘れる 事が出来ない。リュンの感情を一杯に盛り込んだ一人称視点、加えて彼女とアンバーやブ ラックやミゼン爺達とのじゃれ合いなどは凄く活き活きと描けていて面白かったです。  これだけキャラの魅力を前面に押し出すような組み立て方だから、ストーリーに関して はこのくらい軽い捻りを利かせた程度でも充分じゃないかなと。前半話が動かない割に後 半の展開が性急だったので、テンポが崩れたりバランスに難があったりもしましたが。  ただ、意図的かどうかは判断つかなかったのですが、あえて“リュンの視点のみで物語 を描き切っている”点について個人的には好印象でちょっと拍手したい所。だからリュン が気を失っている間のミランダとトーヤのやり取りや、騒動が解決して殿下とミランダが 緑竜亭を去る時の描写が無かったんだなと納得出来る(まあその辺りを詳しく見たかった には違いないし、削ったせいで物足らずの駆け足気味な展開になってしまったというのも 確かにあるのだけれど)。ストーリー的な物足りなさは次で挽回すればいいさ、という事 で続刊希望です。殿下とミランダも一発キャラで終わるには惜しいので再登場を願う。 2005/02/15(火)キリサキ
(刊行年月 H17.02)★★★★☆ [著者:田代裕彦/イラスト:若月さな/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【
bk1】  原因不明のまま死んだ事実だけが残された主人公の『俺』。彼は死の先に存在する《案 内人》ナヴィの力を借りて、既に死んでしまったとある少女・霧崎いづみの身体に魂を移 し、因縁深い殺人鬼〈キリサキ〉の正体を追ってゆく――と、掴みはこんな具合で。  まず読み進めてゆく上で既に最初から幾つか謎が提示されていて、個人的に気にしなが ら抱えていたのは、『俺』が死んだ原因、生前の『俺』の素性、《案内人》を自称するナ ヴィの素性など。これらを起点として更に積み重なってゆく謎を追い続けて行ったわけで すが、音を立てて自分がこの物語に“ハマったな”と感じたのは殺人事件が起こって『俺』 と〈キリサキ〉の関係が明かされた時。そして、終盤で真相が語られ始めてからは「ええ っ?」→「ええーっ?」→「ええーーっ!?」の三段階程度の変化で驚かされっ放しでした (どのタイミングで驚きが変わったかは読了した人には分かって貰える……かな?)  『俺』は読み手と同調する視点であるのだけれど、ある時点まで『俺』+読み手視点で 目的を固めて追い続けてきたものが、謎が解かれる事によってまるごと根底から覆された 瞬間のこの“まんまとしてやられた”感覚は何て言ったらいいんだろう? これは、著者 の方に最大限の賛辞を込めて「参りました」と言うしかないか。いや、お見事でした。  真相の件は物凄く書きたい所なのだけど、ネタバレが激し過ぎる上にうっかり知ってし まうと面白さが激減してしまうので(と言うよりもし↑で既に減少してたら申し訳ないで す……)、書いて反転して触れるのもやめておきます。だだ、私は最後まで頁を捲る手が 止まらない程に没頭出来た……とだけ。重箱の隅突きをしたい箇所もありますけど、それ でも終盤の畳み掛ける様な種明かしシーンの描き方は本当に素晴らしかったです。  最後に『LOVE』について、はまあ複雑怪奇な事情はあるにせよ「これもひとつの愛 の形」と言われれば納得出来なくもないか。全部真相が明かされたので次に繋げ難いとは 思うけれど、全てが解決したわけでもないからさり気なく期待。『俺』とあの人との関係 で再び話が描かれるとなると更に重苦しさが増す事必至なので戦々恐々としつつ。 2005/02/14(月)食卓にビールを3
(刊行年月 H17.02)★★★☆ [著者:小林めぐみ/イラスト:剣康之/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【
bk1】  食卓のビールに良く合うようなつまみ代わりの小話色々。主人公の女子高生妻(結婚し て名字が変わったのなら江藤だが、名前は未だに謎のまま)が異星人と遭遇したり異星人 と遭遇したり、そしてまた異星人と遭遇したりするSFコメディなノリはこれまでと一緒。  でも何となくひと騒動こなした後にビールを飲む機会が、いつもより遠のいていた気が したのだけど果たしてどうか。ぐいっと煽って「ぷはーっ」となるシーンが……あれ、元 からあんまり無かったっけ? ビールというアイテムの出番が少なめだったかなぁと。  物理オタクの知識に置いていかれてしまったりするのもまあよくある事だけど、今回良 かったのは学校でのエピソードが結構盛り込まれていた点。どうも女子校という設定がこ れまでに出てたかどうかも曖昧だったので、今更ながらに「ほほう」と再認識したり。基 本的にやってるのは日常の主婦業であれ本業の高校生活であれ、異星人の騒動に巻き込ま れた挙句一緒に騒いでるのは変わらないのだけど。脇役の悪友とか顔見知りの先輩後輩と かは、主人公の性格にうまく乗ってくれてる変な人達ばかりなので結構楽しいです。  今回の中で気に入ったのは『廃墟編』。小説の中の小説業を担う妻のお話作りというか、 半分夢オチみたいなもんなんだけど。雰囲気が普段の単純お気楽極楽のほほん気分とはち ょっと違っていていい手応えでした。あとはそれぞれ好みに合わせてお気軽に。個人的に は他に学校エピソード全般と不動産屋編が面白かった。もっとも、シリーズ通して一番の 見所ってのは、やっぱり主人公妻とダンナとのすっとぼけた会話にあるのだと思う。  既刊感想: 2005/02/13(日)風月綺
(刊行年月 H17.02)★★★☆ [著者:皇城一夢/イラスト:甘塩コメコ/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【
bk1】  第4回富士見ヤングミステリー大賞最終選考作。  舞台は1970年代の中国。現『王国』時代に反旗を翻し、かつての『帝国』時代を取り戻 さんとする裏社会の秘密結社『侠客党』。それと志は同じ方向を示しながらも徹底抗戦を 構える南の組織『紅花党』との間に繰り広げられる抗争――と、こんな風に見せられると 上海の闇社会でのハードボイルド・アクションを匂わせるイメージで先入観を抱いてしま うのですが、実際にはちょっとばかり方向性が違う。初っ端の主人公・風箔の立ち回りか らは「アクションシーン多用のミステリっぽい組み立てか」と思わせておきながら、中身 を広げてみれば密室トリックを用いた至極真っ当な殺人事件が描かれているのです。  最後の方では事前に想像してたような、対立する組織との衝突でアクションシーンが盛 り込まれていたりするのですが、あくまでメインは密室トリックの謎解きと殺人事件の真 相を風箔と選杯が追い掛けてゆく展開。いや、このレーベルからするとあまりに正攻法な ミステリで物語を描いている事にまず驚いた。まああれですよ、人間離れした能力を利用 しての“トンデモトリック”なんてのが良くない方向で炸裂するかなぁ? なんて考えて いたので。そういう意味では正攻法。ポカーンとはならないと思う。ただ、文章の表現だ けではちょっとトリックの謎解き説明が把握し難かったような気もしました。先に依頼さ れた暗号解読の方は結局ストーリーとの関連性が薄目だったので、一見して蛇足のような んだけど、何か選杯の誰かと会話しているような独り言で含むようなものがあったせいか 重要性を感じたりもしたし……。これ以外にも今後の伏線になってるのかどうか、やけに 曖昧な描写で触れてる部分が多くて結構スッキリしない感触が残ってしまったなと。  この物語で気になったのはそういう明確に描かれなかった所で、主に風箔と探刻にまつ わる過去の記憶や選杯の素性に関する事はもう少し色々明かして欲しかった。他に侠客党 の内部事情を始め組織の実体そのものが殆ど謎に包まれているし、敵対する紅花党にして もそれは同様。次に繋げる気満々な描き方をしてるようなので、続きを待ってみます。 2005/02/12(土)BAD×BUDDY 12月の銃と少女
(刊行年月 H17.02)★★★★☆ [著者:吉田茄矢/イラスト:深山和香/富士見書房 富士見ミステリー文庫]→【
bk1】  第4回富士見ヤングミステリー大賞最終選考作。  ……えっと、これで賞に届かなかったんですか? 解説読むと応募段階では届かないな りの欠点があったそうなので、これは改稿を経て相当良い仕上がりになったと見ていいの かも。個人的には先の受賞作の二作と比べても頭ひとつ抜け出てた程の好感触でした。  上司との揉め事……というよりは一方的な逆恨みによって左遷されてしまった、元エリ ート刑事の主人公ホンダ。この物語で特に惹かれたのは、左遷というケチの付き始めから とことん災難(主に女難)に見舞われてやさぐれまくった彼の一人称表現。大抵が自分に 対する世間の風当たりに愚痴を零してばかりなのですが、これがなかなか小気味良いテン ポで読み手を引っ張ってくれる。それと同時にホンダのキャラクター性――面倒事を回避 出来ない直線的な思考とか不器用で貧乏籤ばかり引いてしまう損な性質とか、そういった ものが一人称で散々ぶちまけている彼の心の叫びによって凄く際立っているんですよね。  ホンダは傍目ではうまく立ち回ろうとすればするだけ逆効果で、その災難振りが格好悪 く情けなく滑稽に映ったりするのですが、しかしながら何故かツルっと滑れば滑るほどホ ンダという奴の人間性に愛着が沸いてしまう。時折心の中で理不尽な物事にツッコミを入 れたりしょーもないギャグや駄洒落をかましたり、ってのもまた味のある一面かな?  新人さんのデビュー作にしては頁数多目ながら、上記のホンダ視点の一人称表現の面白 さのお陰で最後までダレずに楽しむ事が出来た。魅力的なキャラを文章でしっかり描いて 牽引力のある物語に仕上げたという点で、見事な実力じゃないかなと唸らされました。  ただ細かい所を突けば限はないですが。ワガママ爆弾娘はちょっと物語への絡み方が足 りない気がしたし、冷めた少年上司とのコミュニケーションやコンビネーションを事件を 通じてもっともっと見せて欲しかったし、ホンダに立ちはだかる敵らしい敵が終盤に到っ ても盛り上げに貢献してくれないままアッサリ片付いてしまったし。まあこの辺りの躓き は些細な事。これは力を入れて是非とも続編が読みたい。ホンダは明らかに災難に巻き込 まれる質だから多分彼に事件のネタは尽きないでしょう。期待して続きを待ってます。 2005/02/11(金)まおうとゆびきり
(刊行年月 H16.09)★★★☆ [著者:六甲月千春/イラスト:椎名麻子/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【
bk1】  第16回ファンタジア長編小説大賞『審査員特別賞』受賞作。  特に強く感じたのは、女の子の捉え方が女性ならではの観点だなという点。例えば主人 公である硝子の色々な物事に対する考え方とか些細な仕種の数々とか、また友人の涼香、 美貴とのじゃれ合いから醸し出されてる空気とか。読んでいて何となくだけど、男が想像 の域だけでこういう女子校生像は描けないんじゃないかなと思わされた(女子校の先生や ってたとかなら別かも知れないけど)。どれだけ物語に混じっているかは分かれないけれ ど、著者自身の実体験に基づいて描写している部分があるんじゃないかなと。触れた時そ んな風に感じられる要素が、文章の中に盛り込まれている所が非常に特徴的で面白い。    元々硝子の失敗が原因で自分にとってのお荷物(まおう)を背負い込んだ割に、面倒事 は御免だとばかりに一歩身を引いた視点で眺めていて、むしろ涼香と美貴の方が他人事で 硝子をからかいつつも彼女より積極的に深入りしてそうな辺りも結構印象に残るデキ。  結局の所、日常であろうと非日常であろうと、普段の雰囲気やペースを乱さず崩さずじ ゃれ合う三人娘の姿を眺めてるのが一番楽しい物語なんだと思う。それ以外の面では、ま おうとまおうを討ちたくて敵対する魔物だか怪物だかとの戦闘が見所っぽく描かれてます が、緊張感を良い意味で台無しにぶちこわしている硝子達ののほほんな態度の方が面白い ので、それ程印象的には映らなかった。どうも敵の数が多い割に個々の特徴を適当に投げ 遣り気味に描いているみたいな感触で区別が付き難かったり、まおう自身についても深く 触れようとはしなかったり。もしかしたらこの辺は二次的なものに留めているのかも?  あとは至る所に散りばめられている小ネタの数々。これはまあ元ネタが分かりさえすれ ば間違いなく楽しめる度合はぐっと上がる筈。でも意味不明で分からないと間違いなく重 荷になるので微妙に手放しでは誉められない(ちなみに私は半々と言った具合でした)。


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