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04/30 『いぬかみっ!6』 著者:有沢まみず/電撃文庫
04/30 『いぬかみっ!5』 著者:有沢まみず/電撃文庫
04/30 『はにかみトライアングル』 著者:五十嵐雄策/電撃文庫
04/21 『乃木坂春香の秘密』 著者:五十嵐雄策/電撃文庫
2005/04/30(土)いぬかみっ!6
(刊行年月 2005.04)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:有沢まみず/イラスト:若月神無/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
出番待ちだった薫の犬神の残り三人(ごきょうや、フラノ、てんそう)が登場した事
で全員顔見せを終え、顔が分からなかった薫もようやくイラストデビューを果たし、こ
う何となく核心へ向けて動き始めたような感触。もっとも、何処を指して“核心”と言
えばいいのか、そこら辺が妙に曖昧な物語というイメージもあったりするのですが……
なかなか進んで行く方向が掴めないからだろか? まあようこや薫やなでしこの中にあ
る幾つかの謎とか、そういうのが伏線あんまり無そうな啓太と絡んでくるのだと思う。
しかし啓太とようこの宿無し生活って前巻からそのまま引き摺ってるのかよ! 死神
倒した影響で背負わされた不幸も引き摺ってるし、その状況が意外とツボで擽られるよ
うに笑わされてしまった。それでも環境適応能力の高さはさすが啓太と言うべきか。
ともあれ徐々に気になっている部分が表に顔を出しつつあるようなので、このまま上
記のように核心へ近づいて行くような展開になるんかどうか。多分この終り方で一番問
題になってるのはなでしこだと思うんだけど、現段階では彼女の本心が全く読めない。
既刊感想:1、2、3、4、5
2005/04/30(土)いぬかみっ!5
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:有沢まみず/イラスト:若月神無/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
前巻までの感触では、電撃hp掲載分の短編コメディで固めて繋げてゆくのかと思っ
てたのですが、割とシリアス展開の中編を挟んで来るとはなかなか良い変化球。普段の
馬鹿ノリとはかなり違う雰囲気ながら、そういう所がまた新鮮で楽しめる内容だった。
啓太は基本的に劣情剥き出しで下品に格好悪く立ち回ってくれるのが楽しいのだけれ
ど、今回みたいな格好良い姿も結構様になっている(まあ余計な事を口走らず黙ってい
れば外見はいい男だから)。薫の犬神達とじゃれ合う短編はいつも通りに笑えて面白く、
シリアス寄りな中編はじっくり読ませてくれる。ただ、これも毎度思う事ですが、シリ
アスムードに傾けば傾くほど隠している部分が気になってしょうがない。今回は最後で
ようこの謎に迫るエピソードが用意されていましたが、これでもまだ明確ではないです
よね。でも今まで曖昧に伏せられてばかりだったのを考えると大収穫と言うべきかな。
既刊感想:1、2、3、4
2005/04/30(土)はにかみトライアングル
(刊行年月 2005.04)★★★★★☆☆☆☆☆(5/10)
[著者:五十嵐雄策/イラスト:みずき/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
これと言った特徴も無くパッとしない主人公の男ひとりに対し、複数の女キャラが好
意を抱えて寄って来てしまうギャルゲーパターン。ありきたりだろうが何だろうが、話
の転がし方次第でどうにでも料理出来そうなネタですが、この物語の内容はどうにもな
りませんでした。一応好きなジャンルの筈なのに、何でこんなに読んでいて退屈だった
んだろう? 弘司が極めて普通じゃない状況の数々に抵抗もせず流されっ放しだったか
らかなぁ。わざわざ三人称と一人称を混同したような文章にしなくても、弘司視点の一
人称で徹底してくれてたら、感情の波がくっきり際立っていたと思うのだけど……。
あと後半で描かれていた弘司の体質については、あんなに簡単に解決してしまうんだ
ったら無理に取って付けたように加えなくても良かったような気がする。むしろそうい
う弘司の体質と三人娘の関係をメインに置いて描くならば、もっと早い段階で展開させ
ていかないと。こんなに後出しで遅過ぎるから単純解決で終わってしまう。可能性があ
っただけにちょっと勿体無かったかも。次あるならとりあえず奈々の巻き返しに期待。
2005/04/21(木)乃木坂春香の秘密
(刊行年月 2004.10)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:五十嵐雄策/イラスト:しゃあ/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
第4回電撃hp短編小説賞『最優秀賞』受賞作家さんのデビュー作。
読む前の段階では、春香の秘密を明かさずにそこをエサに読み手を焦らして引っ張っ
て行くのかと予想してたのですが、意外とあっさりバラされてました。何か春香って端
から見てると、秘密を“絶対に知られたくない”と思っているようには到底見えない程
迂闊な行動が目立つんですけど、実はドジッ娘だったのねと知ればそれも納得か。
あとは裕人に知られたせいで平静さが保てなくなったか、もしくは裕人が信頼に足る
人だと確信して気が抜けてしまったか。ただちょっと気になった所があって、それは秘
密がバレる切っ掛けの図書館激突事件。あれって周囲の人は裕人が女(春香)を泣かせ
ている事よりも、相手が春香だという事の方に注目するんじゃないだろか? 学校内で
知らない人が居ないと言ってるくらいだし、逆にドジッ娘というのは多分知られてない
だろうから余計目立つ筈だし。そこだけが妙に違和感ありで引っ掛かってしまった。
まあ基本的にこのテのジャンルは好きなので、裕人に都合が良い展開でも典型的なお
約束一杯でも読んで楽しかったのならそれで良し。しかし場合によっては春香の秘密が
周囲にバレて、掌返すようにちくちく突かれる様も見てみたかったかも。それだと鬱な
気分に陥りそうだけど、その分裕人が春香を護る形で周囲の悪意を断ち切ってゆくよう
な展開で違う面白さを得られたかも知れない。もっとも、シリアスムードも重い展開も
あまり合わなさそうな話なので、これくらい適度に済ませるのが丁度いいのかな?
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