NOVEL REVIEW
<2005年05月[後半]>
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05/22 『カレとカノジョと召喚魔法3』 著者:上月司/電撃文庫
05/21 『カレとカノジョと召喚魔法2』 著者:上月司/電撃文庫


2005/05/22(日)カレとカノジョと召喚魔法3

(刊行年月 2005.04)★★★★★★★★★☆(9/10) [著者:上月司/イラスト:BUNBUN/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  おおおー! 今回すげー面白かった。まず雪子、これまで常に前向きで挫けず折れな い気持ちや誰かの為に命を賭けて戦う姿を見る度に抱いて来た事ですが、今回は心底思 い知らされた。「本当に雪子って女の子は強いな」と。戦闘能力の事もあるけれど、そ れ以上に心の強さが物凄く際立っていた。大勢の観客の面前で決意と覚悟を抱いて告白 する姿、大切な友情の絆を逃がさない為に勝ち目ゼロでも「あたしが絶対勝つわよ!」 と確信して戦う姿、もう格好良過ぎですよね。だから美樹はともかく、感情の一部を喪 失している遊矢には雪子の全力投球がどうしても届かない現状がもどかしくて……。  もう一人の主役は美樹。前巻丸々外されていた分を取り戻してお釣りが来るほどの目 立ちぶりで、個人的には一巻で支持していたので出番多かったのは嬉しい限り。もう少 し願いを叶えるかどうかで悩む時間があれば良かったかもと思いましたが、憧れで大好 きな雪子の戦う後ろ姿を追いながら葛藤する美樹の感情描写が堪らなく良かった。  それからこのシリーズは、毎回その巻で起こった出来事を纏める結末の描き方が非常 に好きです。今回で言うなら雪子と智子、雪子とリールゥ、美樹と玲、そして最後に遊 矢と律乃。どのシーンもいいな〜と呟きたくなる結末で、更に興味を次の巻へと向けさ せてくれる。果たして雪子はここからどうやって対処法を見付けてゆくのか?  既刊感想: 2005/05/21(土)カレとカノジョと召喚魔法2
(刊行年月 2004.12)★★★★★★★☆☆☆(7/10) [著者:上月司/イラスト:BUNBUN/メディアワークス 電撃文庫]→【
bk1】  八年前に召喚した悪魔リールゥの影響で不可解な事件が遊矢と雪子の近辺で起こる→ 事件解決に乗り出し推理調査探索→敵と認識した者との肉弾戦(主に雪子が担当)→真 相語りによって解決→結末を迎えてエピローグ……てな具合で物語全体の構成は前巻と 殆ど一緒。遊矢の希薄な感情についての秘密が既に前巻で解かれているから、話の展開 が同じ流れだとちょっと一巻目には及ばなかったかも、というのが正直な所で。  しかしながら、雪子の遊矢に対する恋愛感情が確実に上昇傾向を見せているのは見逃 せない。大袈裟ではなくてこれだけで今回足りないと感じられた部分の穴埋めは充分だ と思う。問題なのは感情が欠落している遊矢に、雪子の昂り続ける想いは届くかどうか ……ってとこなのですが、告白はまだなのでその辺りの進展は次巻以降に持ち越しか。  あとはもう、こう言わせようと狙っているとしか思えないキャラ設定なのにもう、あ 〜もうセーレウスが可愛いったらないぞこんちくしょう! 雪子がすりすりしたくなる 気持ちもよく分かる。まあどちらかといえば律乃と佳苗と幽霊がメイン寄りな感じだっ た為か、セーレウスが一歩身を引いた立ち位置で控えめな印象なのはちょっと残念でし たが。それでも彼女が“本当にしたい事”を見つけた時のシーンは凄く印象に残る良い ものでした(その内またひょっこり顔出してくれないかな〜)。そして最後に残ったの は雪子にとって頭の痛いライバル出現。次はこの関係でも楽しませてもらえそうです。  既刊感想:


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