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06/30 『DクラッカーズI 接触―touch―』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
06/27 『鋼殻のレギオス6 レッド・ノクターン』 著者:雨木シュウスケ/富士見ファンタジア文庫
06/26 『サイレント・ラヴァーズII 鋼鉄の英雄』 著者:吉村夜/富士見ファンタジア文庫
06/25 『紅牙のルビーウルフ Tinytales1 クローバーに願いを』 著者:淡路帆希/富士見ファンタジア文庫
06/24 『黄昏色の詠使いII 奏でる少女の道行きは』 著者:細音啓/富士見ファンタジア文庫
06/24 『マテリアルゴースト5』 著者:葵せきな/富士見ファンタジア文庫
06/23 『クジラのソラ03』 著者:瀬尾つかさ/富士見ファンタジア文庫
06/22 『あくまデふぁんたジー!?』 著者:神野オキナ/富士見ファンタジア文庫
06/22 『デモンパラサイト 魔獣の姫は、血を望む。』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
06/20 『BLACK BLOOD BROTHERS7 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 王牙再臨―』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
06/18 『マテリアルゴースト0』 著者:葵せきな/富士見ファンタジア文庫
□2007/06/30(土)DクラッカーズI 接触―touch―
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:あざの耕平/イラスト:村崎久都/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
既に富士見ミステリー文庫版を全部読了しているので、この富士見ファンタジア文庫版
は再読という形。初めて物語に触れる意味での“新鮮味”は残念ながら薄口でしか味わえ
なかったけれど(随分忘れてるだろうと思ってたら意外と細部まで覚えてたから)、その
代わりに今回は“様々な真相を事前に知り得ている”辺りが多分大きなポイント。
例えば、伏せられていた正体が判明する前段階の心理状況により深く踏み込む事が出来
た……ような気がする、とか? この巻で挙げるなら景とか甲斐とかカイムとか。まだ正
体を知られていなかったあの時、こいつはこんな行動を取ったりこんな事を考えてたりし
てたんだなぁ……と言った具合で。再読で味わえる新たな楽しみってこんな部分じゃない
だろうかと。勿論こればかりではないと思うので、もっと色々な再読の楽しみを発見出来
たらいいなぁと思いつつ読み進めてみたい(とりあえずこの分厚い再構成は非常に見事で
◎なデキ。ラストの引きも絶妙で、これは確かにすぐさま続きが読みたくなるよな〜)。
既刊感想:『Dクラッカーズ』感想一覧
□2007/06/27(水)鋼殻のレギオス6 レッド・ノクターン
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:雨木シュウスケ/イラスト:深遊/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
今回より第二部開幕との事。リーリンと別れマイアスを去る際、確かニーナはこう呟い
ていた。「色々、解決していないな」と。…………いやちょっと待て。色々解決してない
にも程があり過ぎるからこれ! ……とか、思わず声を荒げたくなっちゃったな。新展開
らしくといえば実にそれらしく、打ち上げ花火を連発するが如くポンポンポンポンと隠れ
ていた新事実が次々発覚してくもんだから、最初の内は付いて行くのが大変だったよぅ。
もっとも「今分かんないもんはとりあえず放っておきゃいいや」と開き直ってみたら、
割とスムーズに進めるようになった……気がする。都市精霊と廃貴族、元の世界と現在の
世界、自律型移動都市と汚染獣、それらの関係なんてのは物語の核心部分っぽいのでまだ
まだ見せてもらえそうにないし。それにニーナの都市間移動やリーリンの特殊性などもハ
ッキリ答えを貰えなかったからねぇ。あんまり深追いはしないでおいて(深みにはまると
悩んでばっかのレイフォンみたくなりそうだからな〜)、今は眼前の現実――どうやらツ
ェルニ対マイアスで確定された武芸大会の方に注目すべきか。ずっと待ち望んでた武芸大
会本番が一体どんな展開になるのか、想像を巡らせながら楽しみにしていよう。
既刊感想:1、2、3、4、5
□2007/06/26(火)サイレント・ラヴァーズII 鋼鉄の英雄
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:吉村夜/イラスト:結賀さとる/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
途中から悲劇的結末の予感が増す一方で、胸がきりきりきりきり嫌な音立てて締め上げ
られるような気分の中、「どうなる? ねえこれ一体どうなるの!?」と、頁を捲る手は結
果を求めて早まるばかり……まあ大体こんな具合。いやしかし、これだけ焦燥感に駆られ
まくりな展開を味わったのは久々な気がするな〜。この物語は救いがある部分と今の所救
われてない部分と、両方それなりに存在してるもんだから、どちらにでも転ぶ可能性があ
って怖かった(特にヤドリ村の少女コトリは悲劇的要素の筆頭で、最後までどう扱われる
かホントにどきどきさせられた)。とりあえず「アンタレスよく頑張った! お前はエラ
イ!」とだけ。さすがに夢も希望も全て真っ暗じゃ彼が救われなさ過ぎるからね……。
ヒバナはまだアンタレス=セツナだとは全く気付いてない模様。二人きりでギターの話
題で盛り上がった時に、ヒバナの方で少しはピンと来るかと思ってたんだけど。そんな事
有り得ないから考えもしないんだろうなぁ。でも、あとがきの予告によると彼女は次巻で
色々真相を知ってしまうみたい。果たしてどんなタイミングで知る事になるのか?
既刊感想:1
□2007/06/25(月)紅牙のルビーウルフ Tinytales1 クローバーに願いを
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:淡路帆希/イラスト:椎名優/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ドラゴンマガジン連載分に書き下ろしを加えた短編集。おおぅこれはいいな〜。何て言
っても“生真面目なジェイドにじゃれ付くルビーウルフ”なシーンが目一杯あって、かな
りの旨味を堪能出来る辺りが非常に嬉しい。もしもルビーウルフに尻尾が生えてたら構っ
て欲しい気持ちがモロバレだっただろうなぁ……とか想像巡らせて微笑ましく思いつつニ
ヤニヤさせられたり。でもまあ尻尾なんぞ無くても案外分かり易い所があるからなぁ。ジ
ェイドはそういうルビーウルフの気持ちをしっかり把握しているだろうし、フロストとケ
ーナは勿論、周囲の臣下や世話係達にも“構って欲しさ”は充分見えているのかもね。
各エピソードはどれも甲乙付け難く面白い。そんな中で印象的なものを挙げるならば、
ミレリーナとロヴィンのエピソードかな。お姫様に膝枕を“してもらう”のではなく、お
姫様に膝枕を“してあげる”構図は意外とあまり触れた事がなかったというのか……とに
かく凄く新鮮だったんだよ。「ミレリーナに膝枕してあげてぇなぁ〜」とか思った。
既刊感想:1、2、3、4、5
□2007/06/24(日)黄昏色の詠使いII 奏でる少女の道行きは
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:細音啓/イラスト:竹岡美穂/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
前回はイブマリーとカインツ中心の物語、と解釈しちゃった私(この考えを曲げる気は
一切無いらしい)。そして今回はいよいよネイト&クルーエル中心でストーリーが……動
かなかったな〜。それもこれも全てネイトが“おこちゃま”なせいだ! と勝手に責任擦
り付けておくとして。……いや、でも実際ネイトの存在感って“弄られキャラ”としてし
か発揮されてないような。それに彼が名詠式を学び理解し手にしようとしている『夜色名
詠』についても割と蚊帳の外だったし今回。と、とにかく色々頑張れおこちゃまよ!
んで、今回は次巻以降へ向けての足場固め? 大体そんな印象。内容は、似通った少女
二人――クルーエルとエイダが辿るべき道行きを悩み惑いながら模索してゆく、というも
の(最終的にはエイダ一人に絞られるんだけど)。生み出す存在である『名詠士』と送り
還す存在である『祓名民』、果たしてこの真逆の二つを抱える少女の道行がどんなものに
なるか? そんな事を頭に思い描きつつ、何やら不穏な動きを見せ始めている物語の裏側
に注目して行きたい。あと今度はネイト君が主人公らしく活躍出来ますように、と。
既刊感想:I
□2007/06/24(日)マテリアルゴースト5
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:葵せきな/イラスト:てぃんくる/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
シリーズ最終巻。……くっ、全くこの帰宅部連中ときたら……揃いも揃ってホント不器
用な奴等だよ。一旦零れ落ちてしまった希望を再び拾い直した所で、わざとらしいまでに
いつもの馬鹿騒ぎ以上の馬鹿騒ぎを繰り広げていやがるんだけど、そういう賑やかな空気
を皆して一生懸命“作っている”所がもろに透けて見えてしまって切な過ぎる……。
何故そうしなければならないのか? 誰の為に空騒ぎにしか見えない馬鹿騒ぎを演じな
ければならないのか? 意図や意味や理由ってのは細部まで突き詰めてゆくと個々で色々
複雑に抱えてるのだけど、皆の大元にはきっと『式見蛍』という名前が存在していたんじ
ゃないかなと。蛍に反則染みた奇跡でも起こらない限り、多分こんな風になるだろうと想
像を巡らせていた範囲内の結末。覚悟は意外と必要無くて、逆に驚くほどすんなりと受け
入れる事が出来た。決して望んでいた通りの結末ではないんだけれど、蛍の行為と決断に
強く納得させられた上で迎えたこのラストシーン、充分に満足のゆくものでした。
既刊感想:1、2、3、4、0
□2007/06/23(土)クジラのソラ03
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:瀬尾つかさ/イラスト:菊池政治/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
もし3巻完結だったら「わたしが冬湖を連れ戻してみせる! 絶対に!」ってな感じの
雫の台詞で幕だったのかなぁ。ま、とりあえずそうならなくて良かった良かった。残り1
冊は今回ラストで残った幾つかの「何故?」と、陰謀を仕掛けた存在やらゼイの内面の謎
やらの解明になりそうな予感。トーナメント戦の優勝者が事実上決定された(あくまで表
向きに操作されて出来上がった“勝者”だけど)今となっては、多分ここしか語るべき点
は残されていないかなと。冬湖の能力覚醒も今回充分な尺度で描かれたと思うので。
このシリーズは巻が進む毎に望んでる方向に進んでくれて充実度も上向き調子。戦術戦
略を駆使した擬似宇宙でのゲームメインでは行って欲しくなかったので、巧くトーナメン
ト進行を崩してくれて良かったな、というのが本音。天才の苦悩、凡才の苦悩、それぞれ
複雑に絡み合いもがきながら答えを模索してゆく展開。今回の中で特に印象的だったのは、
必死で冬湖を引き上げようと頑張る雫の姿。ここぞという時の強さを見せ付けられた。
既刊感想:01、02
□2007/06/22(金)あくまデふぁんたジー!?
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:神野オキナ/イラスト:梶山浩/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ファンタジアバトルロイヤル誌上で連載されてたものだそうで。この作中に蔓延してる
ユルイ空気があれば、どこまでだって日々平穏な非日常(ここ割と大事)ほのぼのエピソ
ードを並べ連ねてゆけそうだな〜と思ったり。なんか相当な無茶やらかした所で何事も無
かったかのように済ませられ受け流されている辺り、結構好きな要素かも知れない。
それにしてもこの半人前悪魔娘ランニーヤ、なかなか素晴らしい環境適応能力を発揮し
てるじゃないか。最初から自然に受け入れられたのは主人である倫弥と彼の母上だけで、
あとは異物の如く拒否反応を示されてばかりだったのに(春帆とか初音双音とか)、いつ
の間にやら打ち解けてるし。どうやら「悪魔なのに憎めないいいやつだなー」と感じられ
た時から、殺伐とした空気がユルイほのぼの空気に変わってしまった模様。とりあえずこ
れで終わり? なのかな? 願い事と契約状況が今後どうなるかちょっと見てみたい気も
する(もっとも、ランニーヤ自身は当分の間“現状維持”を望んでいるようだけど)。
□2007/06/22(金)デモンパラサイト 魔獣の姫は、血を望む。
(刊行年月 H19.05)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:北沢慶/イラスト:植田亮/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
桜子と出逢ったのも、契約と共生生物を受け入れたのも、全て日向葵に課せられていた
“運命”だ。実に都合が良過ぎても陳腐な言葉でも、それは“運命”に違いない。……と
か、自分の心に誤魔化し利かせて納得させないと、ほら、突っ込みたい事が山の様にどば
ーっと溢れ出て来そうだから。最初の桜子との出逢いで思わず葵に向けて口から出たのが、
「逃げろよ!」ってな事で。一見して“偶然の出逢い”が必然あり、“普通逃げるだろ?”
と思うような所で逃げない辺りが運命なのかどうか。まあ単に面倒事に首を突っ込みたが
る考え無しのバカタレにしか見えないとこもあるけど。こういうヤツは嫌いじゃない。
元々この悪魔憑きや悪魔寄生体などの設定を扱ったTRPGが本流で、そこから小説を
起こしたって形なのかな? 今回は設定や状況説明に比重が置かれていた為か、キャラク
ターの性格特徴とストーリー展開を合わせて描かれた部分はやや浅く手応え不充分。本当
は葵の両親の事をもっと知りたかったんだけど、続きがあるらしいので次を待ってみる。
□2007/06/20(水)BLACK BLOOD BROTHERS7 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 王牙再臨―
(刊行年月 H19.04)★★★★★★★★★★(10/10)
[著者:あざの耕平/イラスト:草河遊也/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
あ〜も〜くそぉ〜。こんな凄いの見せ付けられた後に一体どんな言葉を並べ立てたらい
いのやら……こうなりゃごちゃごちゃ面倒臭く書き連ねないでシンプルに行くぜ!
面白かった!!
よし、これだけでOKだ。あとは評点からでも個人的感情を察してもらおうか。
……と、まあこれじゃあんまりなので特に印象に残った点をちょっとだけ。やっぱり私
はシリーズ通してずーっとミミコなんだよね。気が付けば、他の誰も太刀打ち出来ない強
き意志を携え他者の心に真正面からぶつかっている彼女にいつも目を奪われてしまってい
る。今回もまざまざと見せ付けられたミミコ最強伝説。第三部もきっと釘付けに違いない。
既刊感想:1、2、3、4、5、6
(s)1、2、3
□2007/06/18(月)マテリアルゴースト0
(刊行年月 H19.04)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:葵せきな/イラスト:てぃんくる/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
4巻の結末があんなんだったから、最終巻に当たる5巻に挑むには相当量の覚悟が必要
と見た。だからあえて完結直前に挟み込んだこの短編集は、「一息ついて存分に覚悟とや
らを溜めるがよかろう」という粋な計らいに違いない。違っていても勝手にそう決めた。
鈴音や紗鳥との馴れ初め、ユウと出逢って間もない頃の日常、そして蛍の「死にたがり」
の真相が明かされた後の息抜き。一通り追ってから頭の中でざっと整理してみた所、蛍に
対する印象度が随分変化してるな〜、と思わされた事が大きい。意外にも中学時代から高
校入学前の蛍って「死にてぇ……」の口癖があんまり表に出てなかったんだねぇ(もっと
も、鈴音や紗鳥と知り合う前は口癖ぶつける相手が居なくて目立たなかっただけかも知れ
ないけれど)。どうやらユウと出逢った辺りの蛍がムカツキ度MAXだった模様。
最後の“夢の中でコスプレ萌えシチュイベント”は妄想以外の何物でもなく、主に深螺
のサービスカットと捉えておけばいいか(実は何気に最も息抜き出来たのはこのエピソー
ドだったりするのだけど)。さて、どうやら覚悟らしきものは何となく溜まったみたいな
ので、そろそろどんな結末になるやら想像もつかない最終章へ進むとしようかな?
既刊感想:1、2、3、4
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