NOVEL REVIEW
<2003年05月[中盤]>
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05/20 『緑のアルダ 荒れ野の星』 著者:榎木洋子/コバルト文庫
05/19 『緑のアルダ 石占の娘』 著者:榎木洋子/コバルト文庫
05/18 『バーコード・チルドレン』 著者:本沢みなみ/コバルト文庫
05/17 『帝都浪漫活劇 お嬢様を探せ!』 著者:久藤冬貴/コバルト文庫
05/15 『ブルーローズ・ブルース』 著者:久藤冬貴/コバルト文庫
05/13 『フラクタル・チャイルド ここは天秤の国』 著者:竹岡葉月/コバルト文庫
05/12 『さよなら月の船』 著者:片山奈保子/コバルト文庫
05/11 『流血女神伝 女神の花嫁(前編)』 著者:須賀しのぶ/コバルト文庫


2003/05/20(火)緑のアルダ 荒れ野の星

(刊行年月 H15.05)★★★★ [著者:榎木洋子/イラスト:唯月一/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  シリーズ第2巻。早々に故郷から大陸へと渡って旅は順調のように見えていても、まだ まだ守龍の影は見当たらずで、物語が大きく動き出す前の助走段階と言えるような内容。  とにもかくにも「これだけはちゃんと解決しなければ先になんて進めないわよ」、とア ルダ・ココの意思が行動から感じられたような、ウルファの辻斬り連続殺人犯の冤罪を晴 らし真犯人を追い詰めるまでの展開が今回のメインとして描かれてます。寄り道という気 楽な内容でもないのですが、ちょっと本筋から脇道に入ったような印象。守龍探しの旅を 描く物語と見れば、今回は盛り上がりが多少弱いかなと感じられる部分もあったけれど、 これは守龍に関わるその先をもっと知りたい欲求と期待の表れでもあるんですよね。  とは言え、今後の流れに大きく関わって来そうなキャラクターが登場してるのは決して 無視出来ない興味を引かれる要素。1人目――カートラム。妙に親切過ぎるので腹に一物 抱えてそうな一癖も二癖もありそうな油断のならない御方……と最初は思ってたのですが、 どうやら本当にいいひとそう。彼の盟友であったウェンハールの事が、ウルファの冤罪と 深く関わってたから協力的だったというのもあるのだろうけど。もっとも、彼の言動から まだアルダ・ココとウルファに明かしてない事も色々ありそうで気になる所も多いです。  2人目――ファデル男爵を唆してた謎の魔法使い。本当に謎だらけな存在なので、初お 目見えの今回だけでは何とも言えない。ただアルダ・ココの運命に深く介入してきそうな 予感はひしひしと伝わってきたので、こちらも今後どうなるんだろうと思うばかり。  アルダ・ココは広く名が知られてるのと、ウルファの容姿を誤魔化す作戦の影響もあっ て、周囲から崇められ持ち上げられてるような感じが抜け切らないのですが、彼女自身は 全然そういうのに左右されてないようで。前巻より豊富な表情の変化を見せてくれていい なーと思えたシーンが多かったです。ラストの少なからずウルファをどぎまぎさせたアル ダ・ココの台詞なんかが特にそうで、前よりずっと親しみこもってるのがよく分かる。ウ ルファの存在が今後アルダ・ココにどう影響してゆくのかも楽しみ。  既刊感想:石占の娘 2003/05/19(月)緑のアルダ 石占の娘
(刊行年月 H15.01)★★★★ [著者:榎木洋子/イラスト:唯月一/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  あまり大きな仕掛けを置いたりとか捻った事をやってるようには感じられなかったので すが(先を見据えた伏線みたいなものは当然張られてるけど)、良い意味で分かり易く素 直に心に響いてくるような物語。心地良い面白さから一気に読み切ってしまいました。  百発百中の的中率を誇る石占いの娘アルダ・ココと、石の導きから運命を共にする事と なった大地の精霊ヨール、そして占いに出たアルダ・ココの助け手となるウルファが、そ れぞれの邂逅を果たし守龍探しの旅に出るまでの経緯を描いた序章的な位置付け。  これが同じ守龍の世界を描いた過去のシリーズ『龍と魔法使い』『リダーロイス』を読 んでいると更に奥深く味わえるのでしょうが、読んでいなくても充分物語に没頭出来たの で大丈夫だろう……と思います。序章からしてキャラクターや世界観、物語に流れる雰囲 気などに心惹かれる要素がかなり多かったし。特に国に豊かな潤いをもたらす守龍とは一 体どのような存在なのか(過去のシリーズで既に語られてそうだけど)と、アルダ・ココ がその守龍を故郷に呼ぶという途方もない目的を成就させる為にどのような道を歩むのか ……この辺りを今後どう見せてくれるか非常に楽しみです。     アルダ・ココの印象は可愛さよりも石占いでの神秘性が先に立ってたような感じ。たま に年相応の可愛らしさを見せたり、自身の運命を悟って戸惑う気弱さも見せてますが、正 直まだちょっと印象に残り難くて今回だけでは彼女の魅力を掴めなかったかなと。もっと も、これは今後アルダ・ココの表情を色々見てゆくに連れて解消されると思いますが。  占いが何時でも何処でも百発百中ってのは、決められた設定であっても何となく都合良 過ぎになってしまう時も出てくるのでは……と思ったので、何かしら替わりに制限を付け て欲しかったような。ただ、腕力がものを言うシーンでは彼女の能力も直接的にはからっ きしなので、その辺りが制限と取れるのかも知れない。  こういうアルダ・ココの制限みたいな部分を補う役割にあるのがウルファの存在。彼の 事も詳細はまだ全然分かりませんが、何故か性格はアルダ・ココよりすんなり掴めた上に 好感持ててしまいました。この二人の関係もまだ全然見通し効かないけれど、守龍探しの 中でどう絡んでゆくのかも興味深い所です。 2003/05/18(日)バーコード・チルドレン
(刊行年月 H15.02)★★★☆ [著者:本沢みなみ/イラスト:八重垣ユキ/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  小学五年生の一クラスの大部分が記憶を失った状態にある大天使の転生体で、そのクラ スを守護するのが唯一大天使の記憶を有した主人公・神永河と愉快な天使の従者達。  読んでる途中で色々と気になる点もありましたが、地上に降りた大天使の仮姿が小学五 年生だったり、クラスメイトのほとんどの中に覚醒を待つ大天使の姿が眠っていたり…… などなどの設定に、まず一番最初から興味を引かれました。ここが他とは違う本作ならで はの持ち味なんだぞ、という強烈なアピールを受けているような感じで。  豊富な知識と高い地位を持ち合わせる大天使が小学生の姿に成り変わってるのを想像す ると、中身は同一人物でも容姿のギャップがあって可愛らしく見えてしまう。もっとも、 永河は見かけの小学生らしい可愛いさとは正反対な、冷静で達観した性格が本質なのです が、そこら辺が人間とは明らかに違う大天使らしい部分と言えばそうなのかも。  対して春人は小学生らしい愛嬌を振りまいているのが自然に表れているけれど、実は環 境に応じてしたたかに楽しみながら性格を使い分けしている風にも見えるし、逆に夏彦は ガチガチな頭で真面目くさい所が全然小学生らしくないおかしさが浮き彫りになっている。  この個性の異なる三人の会話シーンの中に溢れている、上司と部下の関係とも親友関係 ともちょっと違う奇妙な雰囲気から、面白さや楽しさが感じられてとても良かったです。    天使の階級とか種類などには元から突っ込む知識も術も持たないのでさほど気にはなら ずでしたが、今回だけでは大天使に関わる事で分からない部分も多い。永河がメタトロン であると同時にもうひとつの存在を持つ意味、“審判の日”の意味、おかした大罪の意味、 それから不明瞭な千星の位置付けと存在する意味と。紐解かれるのはまだまだ先の話でし ょうが、何にしてもこのまま単発で終わっては消化不良もいいとこなので続きを見せて欲 しいです。あとがきにある『出席番号1番から順に書いてゆく』のもいいかも知れない。 2003/05/17(土)帝都浪漫活劇 お嬢様を探せ!
(刊行年月 H15.05)★★★☆ [著者:久藤冬貴/イラスト:ひぐらしこおり/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  タイトルに全く関連性のない所を見ると、元々はシリーズとして続くと想定されてなか ったのかな? と思ったりしましたが『ブルーローズ・ブルース』の続編となります。  前回の元級友で大親友の時と同じく、今回も女学校の級友(と勝手に認識されてしまっ た)の恋愛騒動に巻き込まれる形で、その絡まり具合は大体似たようなものでした。  その度々突っ走り気味な行動力故に周囲に騒ぎを次から次へと提供してゆく芙美ですが、 実は前のも今回のも他人のややこしい恋愛感情が発端なんですよね。それを考えると案外 トラブル(特に恋愛関連の)を引き起こすよりも、巻き込まれ背負い込んでしまい易い性 質なのかも。その過程で更に首を突っ込もうとするから余計な騒動を呼んでしまうと。  迷走するお嬢様と彼女が好意を向ける相手の男と一旦振られた婚約者と……三者の感情 が面倒に絡まってこじれてゆく様子などは、あまり深刻にならず結構コミカルに描かれて いるので笑いを含みつつ楽しく読めました。その行方と結末は相変わらず先読みし易い分 かり易さなので、意外性を含んだ捻りを見せて欲しかった気持ちもあったのですが。  ただ、振っても慕ってくる静子に対する白瀬の感情の見せ方は良かった。白瀬の事は本 当に静子を何とも思ってなくて利用価値としか見てない悪役だと思ってたけれども、実は 深い部分にそうではない想いを抱いてる辺りにちょっといいなと感じさせられました。  静子に同調するように、芙美が風見をどう想ってるのか自分でも把握出来ず揺れ動く様 子などもよく描けていたと思います。今後のこの二人の進展具合も気になる所。  既刊感想:ブルーローズ・ブルース 2003/05/15(木)ブルーローズ・ブルース
(刊行年月 H15.03)★★★ [著者:久藤冬貴/イラスト:ひぐらしこおり/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  はねっかえりのお転婆お嬢様・芙美の大正浪漫爆笑&純愛活劇。なのですが、言葉でそ うだと示しているものはあれど、大正時代の雰囲気に浸るにはちょっと描写が弱かったか なという印象(じゃあどういうのが大正時代らしいのか? と言われて困ってしまうよう な知識しか持ち合わせていないけど)。一人称での気持ちの動きはよく描けていたと思う ので、芙美の目で見る町並みや学校などの風景描写の方も多く盛り込んでくれてたら更に 面白くなっていたかも、と考えて惜しいなぁという気持ちでした。  それからタイトルのブルーローズが物語の中でさほど重要に感じられなかったのは、単 に『金儲けの手段』としか扱われてなかったせいか。黒幕の存在と所業も余りにあっさり 分かり過ぎだったので、ひと捻り加えて大上や森などがブルーローズに深く固執するよう なエピソードなどが欲しかったです。  一方芙美の心は上記の通りで深いとこまでよく見せてくれてます。喜怒哀楽がくるくる と回る芙美の感情を、彼女の視点で一緒に追って読み楽しめるような作り。行動派で余計 な事にまで首を突っ込みたがりイイ男に目が行き易い、その結果難儀な苦労を背負い込み まくるトラブルメーカーな芙美の言動の数々がなかなか楽しくて良い感じ。  ストレートに芙美の気持ちが読み手に伝わって来る辺りは、彼女の視点でものを見るよ うな描き方が効果的に表れているなと。最初の駆け落ちと誤解されそうな外出から、あま り前後左右を確認せずに突っ走るという芙美の性格がしっかり出ていて、そういう躍動感 に満ちたものは全編に渡り溢れている所は凄く好きです。  しかし読み終わってから芙美と風見はいきなり進展し過ぎではないのか? なんて言い たくなったりも。いくら風見がアプローチかけても、この芙美の付かず離れずな態度では 進みようがないだろうなと思ってたので少々意外な感じでした。 2003/05/13(火)フラクタル・チャイルド ここは天秤の国
(刊行年月 H15.02)★★★☆ [著者:竹岡葉月/イラスト:オノデラ佐知/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  新天地を求めた先駆者が精霊と契約する事により手に入れた都市ライブラを舞台に、誰 のどんな行為も金の替わりに請け負う『代行屋』達を描いた物語。地上4層(フロア1〜 4)地下1層(フロア0)、上に行くほど階級が高く優雅で下に行くほど泥まみれ汗まみ れな生活が日常風景となるのは比較的簡単に想像出来る所。メインがフロア0と1なので、 上の方の実態はハッキリしてませんが。ありがちという程ではないけれど、組み合わされ た設定の中で類似的な要素が幾つか見えたりもしました。  ただ、全てが今回だけで語られた訳ではないから、この先で物語をどんな風に展開させ てゆくかという可能性の大きさみたいなものも、多分に含まれてるんじゃないかと思いま す。精霊ライブラと契約して都市を築いたリヒト・オルベの事や過去に起こった爆発事故 の悲劇、それに未だ人類には解明する事が出来ないでいる精霊の実態など、まだ見えない 事実を世界観と設定にうまく絡めて見せてくれたら、きっと次もまた興味を惹かれる面白 い内容が出来上がるのではないだろうかと期待してみたい。  殺人事件から始まって捜査、推理、擁護、麻薬密売、誘拐、カーチェイス、ときて奪還、 事件解決、と思いきや最後に待ってた真相真実、と言った流れ。これじゃ何の事だかサッ パリ分からんのも確かで、代行屋としてのサキ・ジュラ・カイの3人は本当に何でもかん でも肩代わりして着実に依頼遂行してゆく。そんな彼らのアクションを追うのが読んでい て実に楽しい。これはキャラの個性が光っているからこそ印象に残るもの。  回りくどいのが嫌いで感情的になり易いサキと、金の為には穏やか冷静沈着を越えて冷 徹な感情さえ隠そうとしないカイ、そして正反対の二人を呑気にマイペースに眺めながら 実は誰よりも彼らを理解し一歩引いた視点で冷静に間に立てるジュラと。この代行屋トリ オに加えてルークがちょっかい出しての掛け合いが良い雰囲気で描かれていました。  カイと精霊と精霊世界との関わりがこの物語の鍵のひとつとなっているのかどうか。何 時から何が原因で彼は精霊使いに目覚めたのか? もしシリーズ作品として展開してゆく なら、この関連の過去からの経緯などを読ませて欲しいです。 2003/05/12(月)さよなら月の船
(刊行年月 H14.12)★★★★ [著者:片山奈保子/イラスト:竹岡美穂/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  中学生の少女・ゆずの揺れ動く気持ちや心の変化と成長を、彼女の視点から素直に描い たストーリー。ゆずの心情があまりにストレートに響いてくる為、こういうジャンルに馴 染みがないから新鮮に感じるという以上に擽ったいとか多少の照れがあったりの方が強か ったのですが、ほんの些細な心の波にさえ一人称文章の影響が非常によく効いてます。  これはおそらくゆずと同性か異性かというのは勿論、読む年代によっても随分感じ方に 違いが出るのではないかなと思いました。設定が携帯もパソコンも普及してない時代とあ るから、最も感情移入してしまいそうな気がするのは、現在の同世代よりもむしろ二十代 もしくは三十代辺り? 実際にはどうだか分からないけれど、例えば自分の立場で十年前 くらいに読んでたら今よりもっと気恥ずかしくてどきどきしていたかも、とか(あるいは 雰囲気に耐え切れず途中で投げ出したりとか)。大体ゆずのように擦れてない女の子が周 囲にいたかどうかも既に記憶が薄れてて怪しいですが、もしあの頃読んでいたらどう感じ たろうか? なんて事を思い浮かべつつ懐かしさに浸るように惹き込まれました。  離れていても通じ合う父と近くにいるのにすれ違う母と、いつも親身になって接してく れる親友とちょっとした切っ掛けから好意を抱くようになった男の子と……そういった身 近な存在の気持ちの動きに敏感に触れる度に、内に篭ろうとする自分自身を一生懸命揺り 動かしちょっとずつ変化を見せてゆくゆずの心の描写がとても良かったです。ただ、成長 する過程にゆずが精神的苦痛で傷付けられてしまう辺りはちょっと辛かったかなと。   2003/05/11(日)流血女神伝 女神の花嫁(前編)
(刊行年月 H15.05)★★★★ [著者:須賀しのぶ/イラスト:船戸明里/集英社 コバルト文庫]→【
bk1】  あとがきでカリエとラクリゼは光と影で表裏一体と書かれている様に、カリエが主役の 本編が表なら、このラクリゼが主役の外伝は裏と言えるようなもの。これまでずっと詳細 な部分が伏せられてきた、ザカリア女神と女神に対するザカール人達の信仰の事実を描い た本編の核心に触れるエピソード。少年少女時代のラクリゼとサルベーンが中心で、とか く「ハッキリしない」とか「よく分からない」などの印象ばかりが先に立っていたこの二 人も、過去を窺い知る事で随分存在が明確になってきたかなという感じでした。  本編でのラクリゼとサルベーンの言葉の中に物語の紐を解く鍵みたいなものが多く潜ん でいたとしても、実際にはかなり不明瞭な点があった為にさっぱり掴めない。でもこうし てラクリゼの生誕からサルベーンとの邂逅からを辿ってみると、もやもやが晴れるように 濃霧がぱぁっと散って視界が蘇ったような感覚で実に心地良かったです。  もっとも、それは喉に引っ掛かった小骨が取れたように分からなかった事が少しずつ分 かっての気持ちで、今回の中身に関してはザカール人の閉塞感に満ち溢れた信仰・思想か ら相当な息苦しさを覚えたのですが。しかも番外編『天気晴朗なれど波高し。』みたく開 放的な空気を実感した後なので、一気に奈落に突き落とされたような気分でした。  サルベーンの影響によって、ザカールの中での閉鎖的な心が徐々に解き放たれてゆくラ クリゼの揺れ動きがうまく描かれていたと思います。サルベーンの方は表向き人あたりが 良くて、裏でどす黒い感情を宿していたり深層で闇の対する恐れの象徴『闇狼』を飼って いたり、って本編とあまり変わってないような。周囲に受け入れてもらえず傷付いて弱々 しかった最初だけは「本当にこれがあのサルベーン?」とか思ったものだけれど。  どうもサルベーンの本質を考えると、ラクリゼが自分に惹かれるように接して一緒に外 へ出ようと諭した言動の全てに、何か意図的な企みがあるように思えてならなかったので すが……どうでしょうね。ラクリゼのサルベーンに対する心情が過去のままのでいけば、 本編での関係は違うものになっていただろうし。色々気になる後編が待ち遠しいです。  既刊感想:流血女神伝 帝国の娘 前編後編             砂の覇王        天気晴朗なれど波高し。


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