NOVEL REVIEW
<2002年11月[前半]>
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11/10 『琥珀のティトラ 聖女さま、走る!』 著者:霜島ケイ/角川スニーカー文庫
11/09 『琥珀のティトラ 聖女さま、参る!』 著者:霜島ケイ/角川スニーカー文庫
11/08 『ベーカー・マティジュの繁盛記 学院衛星を救え!』 著者:都築由浩/角川スニーカー文庫
11/07 『みすてりあるキャラねっと』 著者:清涼院流水/角川スニーカー文庫
11/06 『Dear My Ghost III 幽霊は生死不明』 著者:矢崎存美/角川スニーカー文庫
11/05 『キディ・グレイド1』 著者:志茂文彦/角川スニーカー文庫
11/04 『デモンズ・クラッシュ! 魔王と勇者とメロンパン』 著者:あおしまたかし/角川スニーカー文庫
11/03 『食べごろ 斬魔行 雷龍のヴァルキリー』 著者:池端亮/角川スニーカー文庫
11/02 『ハートレス・ハート』 著者:七尾あきら/角川スニーカー文庫
11/01 『.hack// AI buster』 著者:浜崎達也/角川スニーカー文庫


2002/11/10(日)琥珀のティトラ 聖女さま、走る!

(刊行年月 H14.09)★★★☆ [著者:霜島ケイ/イラスト:中村龍徳/角川書店 角川スニーカー文庫]→【
bk1】  シリーズ第2巻で前作から実に2年半ぶりの刊行というわけで、そりゃリアルタイムで 読んだ人は内容忘却してるだろうな〜とか、道理で1巻がどこ行って探しても見付からな い訳だよな〜とか思ってしまいました。私はまとめ読みでしたが、前巻がどういう展開だ ったかという点は、期間が結構開いた分だけしっかり今回の作中でフォローされてるなと。 こういう既読者にも優しい配慮は良い感じです(もうちょっと早いペースで刊行してくれ る方が本来はもっと重要なんだけど)。  前巻はティトラを軸に3聖女と各地巡りの旅で小粒なシーンが寄り合ってたという感じ だったけど、今回は一つの小国の混乱にじっくり腰を据えて向き合う展開。わりとキャラ クター重視の前巻と比較してストーリーの深みが増していたかなって印象でした。  ティトラ視点の文体もテンポの良さは変わらず、3聖女の個性も彼女たちの反則的な後 ろ盾も健在で楽しめました。基本的に明るい雰囲気で笑えるシーンが多いんだけど、ティ トラが望む望まずに関係なく圧し掛かってくる自らの立場を背負いながら、「オレは今一 体何をすべきなのか? 何が出来るのか?」と葛藤を繰り返してそれでも前に進もうとす る姿なんかは凄く良かったです。普段は自分の立場や巻き込まれてしまう事態に文句たら たらで、いざとなってもしっかり流されてしまうお人好し。でも3聖女やダート、行く先 々で出会う人達がティトラに惹かれるのはそういう所なんだと思います。今回は彼女とダ ートの関係を描くシーンも良かったなぁ。何て言うか……想像通りの鈍感さとか(笑)。  敵側はシリーズ跨ってのレギュラーキャラがそもそもほとんど存在しないから、やっぱ り印象も実力も弱いかなーって感じでした(アフェル教団って聖女に敵対する団体さんは いるんだけど)。唯一気になると言えるのはアマンに毎度ふっとばされてるパーカスだろ か? こういうキャラは多分しぶとく生き残るだろうなぁ。魅力的な敵キャラとして彼の 再登場を望む(ただその前にシリーズとして続いてくれないと……)。  既刊感想:聖女さま、参る! 2002/11/09(土)琥珀のティトラ 聖女さま、参る!
(刊行年月 H12.03)★★★☆ [著者:霜島ケイ/イラスト:中村龍徳/角川書店 角川スニーカー文庫]→【
bk1】  選ばれし3聖女の世直し旅に同行する従者役として、精霊キナに無理矢理強制的に抜擢 された盗賊娘アンバー・ティトラのお話。ティトラの一人称文体は、彼女の性格がよーく 出ていて軽快なテンポで読ませてくれたのでなかなかに楽しかったです。  いきなり押し付けられた事にしょっちゅう反発したり従者役から逃げようと画策する割 には、気が付くと首を突っ込んで騒動に巻き込まれてしまう。最初はティトラに対して自 分本位で勝手というイメージあったからそう思はえなかったんだけど、根っからの苦労人 性質が染みついているようでトラブル背負い易いタイプでもあるよなと(笑)。それが足 枷になる場合もあるけど、基本的にお人好しな所がいいなーと惹かれました。  人々を救うべく旅を続ける3聖女の事がメインなのかと思いきや、実はその旅には全く 別の視点からの意味が含まれていて、終盤一気に序盤で張った伏線が解かれるという展開 が非常にうまく描けていて面白かったです。メインとなってるのは主人公のティトラで、 最後まで読むと「これは紛れもなく彼女の為の物語」というのが凄くよく分かる。  物語がティトラ視点で進むわりには3聖女の強烈過ぎる個性にちと押され気味かと思っ てたのですが、まさか彼女がそうなるとは……という感じです(ネタバレ防止気味に)。  ティトラを始めリディル、フレイス、アマンの3聖女や護衛の近衛騎士ダートに精霊キ ナなどこちら側に惹かれるキャラが多い割に、敵側で気になるキャラがあまりいなかった のは残念。策謀を巡らせてる黒幕の存在をもうちょい前から絡ませて欲しかったなと。   2002/11/08(金)ベーカー・マティジュの繁盛記 学院衛星を救え!
(刊行年月 H14.11)★★☆ [著者:都築由浩/イラスト:竜騎らみゅー/角川書店 角川スニーカー文庫]→【
bk1】  シリーズ第2巻。キャラは結構好み、ストーリーもそれなりに、今回続編を意識しての 展開ようで続きも気になっている。なのに読んでみて盛り上がりをちっとも感じられなか ったのは何故だろう?(^^;) どうもイマイチ惹かれない原因として、キャラクター描 写の弱さっていう前巻と同じ部分が引っ掛かってる気がしてならなかったです。  ガイがフィオの依頼受ける際の短絡思考などは、何で根拠もなしにショイスマンの件と 繋ぎ合わせられるんだ凄腕の始末人なんだったらもっと慎重になれよと激しく突っ込み入 れてやりたくなりましたが。他にも迂闊過ぎる行為が結構目立つんだよなぁ。  フィオはフィオで最初クラスメイトの不祥事を心配しまくってガイに依頼した張本人の くせに、途中からそんなの忘れたかのように他のクラスメイト達と室内パーティなんぞ企 画してるしさ。おいおいそんなんでいいのかよお嬢様とこっちも激しく突っ込み入れたく なりましたよ。マティジュに至っては今回ハッキリキッパリ役立たず(笑)。学院関係者 の中で教師のヘイゼルや保険医のレナなんかも、わりと重要な役所だと思ってたんだけど、 最後は結局どうなったか分からずうやむやのままに終わってるし……何か事を起こす時の 心情にあまり感じ入る事が出来ない、というのがやっぱりちと足らない所なのかなと。  そんな中で良かった一点。ガイの商売敵ながら今回コンビを組んだ、彼の元恋人である レイチェルの活躍の場が多かった事。昔色々あったせいか、ガイとの微妙な関係が好きだ ったりします。今後はお子様とかお嬢様より彼女をもっと出してくんないかな?(笑)  既刊感想:密航者、月へ行く。 2002/11/07(木)みすてりあるキャラねっと
(刊行年月 H14.11)★★★☆ [著者:清涼院流水/イラスト:ささきむつみ/角川書店 角川スニーカー文庫・スニーカーミステリ倶楽部]→【
bk1】  学園生活体験ネットゲーム『キャラクターネットワーク』略して『キャラねっと』とい う架空世界の中で起こった犯罪を、同じネット世界の架空のキャラクター(PC)達が推 理して謎を解いてゆくという一風変わったミステリー。何か作者さん自身や別の作品に関 して物凄い噂話を幾つも見聞きしてたせいか、ちょっと引いてしまいそうな先入観を持っ てしまってたのですが、予想してたよりずっとマシでしたというより結構面白かったかも。    ネットゲームって言葉そのものが物語に介入してしまうと、実際に興味あるせいかどう しても惹かれてしまうのですよね。この『キャラねっと』も現実にネットゲームとしての 立ち上げが可能かどうかは置いといて、ゲーム性とか設定とかシステムとかを読んでみて 「ちょっとやってみたいかな?」とか思ってしまいました。ただプレイヤーは13〜20 歳のティーン・エージャー限定という設定があるので、現実にあれば私はプレイ出来ない わけですが、だからそれでもプレイしたい!っていう年齢詐称の『もぐりキャラ』なんて のもそりゃ多いだろうなーと思わせてくれるのもなかなか面白い所。  序盤はゲームシステムの説明ばかりに終始していて全然話が進まなかったけど、以後の 物語の世界観に引き込む手段や要素と考えれば充分許容出来て納得のゆくものだったし。  謎解きのトリックは予想範囲内で難しくもなく稚拙って程でもなく、実はトンデモなト リックである事をこの作品に一番期待してたのですが、まあ普通だったかな。解答に至る までの道筋はわりとしっかりしているなと感じました。   ……結局何だかんだと想像してたけど結構良かったって事なのか? 最初のけぞってしま った左綴じ装丁に横書き文章も読んでる内に慣れてしまいましたとさ。 2002/11/06(水)Dear My Ghost III 幽霊は生死不明
(刊行年月 H14.11)★★★★ [著者:矢崎存美/イラスト:白亜右月/角川書店 角川スニーカー文庫・スニーカーミステリ倶楽部]→【
bk1】  真人が一番事件解決に貢献してるはずなのに、姉である咲子がハッタリで築き上げた地 位と知名度のせいですっかり陰に隠れてしまってます……それでいいのか主人公〜。  まあ真人だってちゃんと反論も自己主張もしてるんだけど、通じないのは姉の図太い性 格と巧みな言動が彼の更に上を行ってるからで、縁の下の力持ち状態なポジションは前巻 までとなんら変わってなかったです(笑)。でもそういう関係が面白いと言えるのかな。  最初から咲子の似非霊能力を信じて心酔する佐橋警視が持ってきた依頼内容もハッキリ しなければ、対象である犯罪者の少年の素性も彼に憑いてる霊の正体もハッキリしない。 そこを本来霊を見る力を持っている真人が攻めてゆくわけですが、とある事情で彼の守護 霊・美海も戦線離脱状態。これまでどれ程美海に支えられ救われて来たか、自らの身をも って思い知りながらも依頼の謎を解き明かそうとする真人の姿が痛々しかったです……。  と、そんなわけで今回はこれまで全く描かれなくてずっと知りたかった美海の謎と正体 についてが描かれてました。ただ一応ってだけでしっかりズバリと明かされたって訳でも なかったのが微妙な所。ちょっと想像巡らせて考えてみれば「ああ、つまりそういう事か」 と納得出来る描写ではありましたが。  しかしそれでもなぁ……と納得いかないのもあって(^^;)、美海は真人にとって非常 に大きな意味を持つ存在なのだから、巻が進む度に少しずつ丁寧に明かすかもしくは1巻 分まるごと美海をメインに持ってきてやって欲しかったなと。今回みたく他の霊事件と抱 き合わせのように急にやるんじゃなくてね。……ゆっくりでも息の長い物語になるといい なと思ってたのによもやこれでお終いとは想像もしてなかったです。好きな作品だっただ けに残念だけど、お休みであって完結とは言ってないのでまた書いて欲しいな。  既刊感想:II 2002/11/05(火)キディ・グレイド1
(刊行年月 H14.11)★★★ [著者:志茂文彦/原作:gimik・GONZO/口絵原画:門之園恵美         /本文イラスト:きむらひでふみ/角川書店 角川スニーカー文庫]→【
bk1】  同名アニメの小説版。特殊能力を有する二人の女の子――エクレール、リュミエールの コンビが銀河の経済犯罪者もしくは組織を相手に活劇を繰り広げるお話。後藤圭二監督版 ダーティーペアってのをどこぞで見聞きしたような気もしたけど、言われてみればああそ んな雰囲気でもあるかなと。二人の立ち回りを堪能して欲しいと描かれたような感じ。ど ちらが好みと聞かれたら断然エクレール派。だけど一番好きなのは胡散臭さが際立ちまく ってるアームブラストか(笑)。彼の動向は今後も目が離せそうにないです。  内容はアニメの1話から4話までのストーリーをほぼそのまんま文章に移植してるので、 アニメ先行で視聴してる身としてはちょっと面白味が薄かったかも。アニメの脚本を手掛 けてる方の執筆だから当然と言っちゃ当然なのかなと思いながらも、あまりに忠実過ぎる ので小説版オリジナルのエピソードも盛り込んで欲しかったなぁ。  とは言え詳細な部分まで描写出来るのが文章の良い所であって、映像と比較しながら相 違点を探して読むというのも結構楽しかったりします。現在はほぼ同時進行だけどその内 アニメの方が先行するだろうから、小説版もあまり期間を開けずに刊行して欲しい。 2002/11/04(月)デモンズ・クラッシュ! 魔王と勇者とメロンパン
(刊行年月 H14.10)★★★★ [著者:あおしまたかし/イラスト:TOMA/角川書店 角川スニーカー文庫]→【
bk1】  作者さまの御要望通り言っちゃいますが、この紛れもないバカ小説っぷりはお見事(笑)。 勇者と魔王がキーワードのファンタジーというのが王道で、どれだけ使い古された類似型 であろうとも、こういう単純にバカだなーと笑えるノリの内容は嫌いじゃないです。  キャラクターにしても、“ロリぷに萌え”な変態っぷりのトウマは明らかにどっかで見 た事あるキャラだし、鬼畜でシスコンな上にマザコンのケもある主人公とかぷに萌えな妹 とか苛められっ娘なヒロインとかもよく見掛ける設定なんだけど、その描き方や物語の中 での使い方がうまいというのかな。最初微妙だったのがキバに苛め抜かれるレイニィの事 で「あまりに不遇過ぎやしないかぁ?」と主人公嫌悪になりかけてたんですが、肝心な所 でちゃんと気遣い見せてくれたからキバの心象持ち直しました(笑)。あらゆる場面でキ ャラ同士の掛け合いが非常に楽しかったです。  一番好きなのは色んな意味で作中最強のお母様ルフィカさんかなぁ。十八年前の魔王と の関係は何となくそうかなと思ってた通りだったけど、ストーリーは思ったよりも伏線張 られてて今回だけでは明かされず持ち越された謎も結構あったので、次は彼女の出番増量 でその辺りの話なんかも見てみたいかな。 2002/11/03(日)食べごろ 斬魔行 雷龍のヴァルキリー
(刊行年月 H14.10)★★★☆ [著者:池端亮/イラスト:鈴見敦/角川書店 角川スニーカー文庫]→【
bk1】  自ら狩った妖怪を食材に用いる料理人の少年が主人公ってので、弟子の女の子を引き連 れて珍しい食材を求めてのファンタジーコメディと想像してたのですが……全然違ってて 意外だったなーという感じでした(イラストの絵柄に騙されたと言えなくもない)。  主人公・ユキが誰かと刃を交えるシーンに随分描写を費やしていたから、メインとなる は戦いであってアクションファンタジーと括るとしっくりくるのかも。不死身となる要素 を内包していながら根がのほほん無気力な為に結構迂闊な事やってしまうので、戦いの中 で幾度も生死を彷徨ったりと存外シビアに描かれてます。もっとも、基本的にユキも弟子 のリュネも仮雇い主のエリシャもその従者のノーゼもコメディ気質でノリも軽いから緊張 感に乏しいのがちと困りもの(笑)。  どっちかというと料理ってもの自体はあまり物語に絡んでなくて、重要な部分として絡 んでるのは“妖怪を食材に用いる”という点。これがユキのとある体質から妖怪を狩って 料理を作らなければならないという所で、ちゃんと大きな意味を持たせてるのはうまいな と思いました。ただシリーズを想定してるのか、今回だけではユキ自身について明確にさ れなかった謎も残ってしまったようですが、その辺は次に期待という事で。ノーゼなんか も、能力はともかく所属してる組織についてがハッキリ描かれなかったので、表層で健気 に笑顔振り撒いていながら実は結構胡散臭いメイドさんって感じだしなぁ(笑)。個人的 には多分生きてるだろうけど生死不明で消えたままのリエンの復帰を望む。 2002/11/02(土)ハートレス・ハート
(刊行年月 H14.10)★★★ [著者:七尾あきら/イラスト:西E田/角川書店 角川スニーカー文庫]  どうもストーリーにしても文章にしても取っ付き難さを感じてならなかったのは、最初 からメイの生き霊という状態が原因後回しで唐突に飛び込んできたからか、と思ったので すが……何故か最後までイマイチ馴染めなかったなぁ。  スサノオがメイに近付き行動共にして触れ合って心の変化見せるってのは、パターン踏 襲してるけどそれほど悪くはなかったかな。でも最初の邂逅から妖怪との戦いから零課の 存在から、色んな部分で唐突さを感じてしまったのですよね。メイに影響されてくスサノ オについても同じように、しっかり段階踏まない急ぎ気味な進展という印象だったし。  あとはスサノオの事をもっと深い部分まで描いてくれたら……まあ足りないと言ってる ようなもんですが、例えば過去とか、普段どこで何やっててどういう生き方してるのかと か、ちらっと出てきた蛇女神を始め他の妖怪との関わりはどうかとか。あまりこういうの 無かった気がしたのでスサノオってキャラを掴み切れなかったのかも。メイやミコは比較 的そういうのちゃんとしてたと思うんだけど。結局一番書きたかったのは妖怪一杯出して スサノオとドンパチやる事?(笑) 実際全体で占める割合は多かったし、その辺だけ見 たらうまく描けてたんではないかなと思います。
2002/11/01(金).hack// AI buster
(刊行年月 H14.10)★★★☆ [著者:浜崎達也/イラスト:依澄れい/角川書店 角川スニーカー文庫]  私のはアニメ見ていて一応ゲームやってる前提での感想になりますが、小説版で描かれ てる『ザ・ワールド』の設定はPS2のゲームシステムがベースとなっているので、ゲー ムを先にプレーしてた方が理解し易いかも。ただ簡易マニュアルのように至る所でシステ ムの解説文章が挿入されてるから未プレイでも充分理解して読めると思います。それがち ょっと説明的過ぎるので逆に知ってる人には煩わしいってのはありそうですが。  最近ラグナロクオンラインってネットゲームにハマりつつあるせいか、ディスプレイの 前のユーザーの分身として、PCがネットの中で冒険を繰り広げるという世界観についつ い惹かれてしまいました。HPにSPにジョブにスキルにパーティにNPCにAFKに、 チャットの種類とかモーションコマンドとか……他にもあるけど、とにかく馴染みのシス テムと用語が多かったってだけで楽しく読めた作品。.hackを知ってるかどうかの他に、 実際ネットゲームをやってるか否かで随分感じ方が違ってしまうかもしれない。  アルビレオというPCがNPCと思われる少女・リコリスと出会う所から始まりで、一 見して彼女と一緒にとある探し物をするお使い的なレアイベントなんだけど実は……とい う展開。アルビレオを操るユーザーは誰か? というのとリコリスの正体は? というの が特に気になる所。で、前者は読んでりゃおそらく分かるだろうけど明かすタイミングが 良かったかなと。後者はラストシーンでもちょっと曖昧だったんですよね。過去に陽の目 を見る事のなかった一つのシナリオそのもの=リコリス……なのかなぁ?(自身皆無)


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