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08/19 『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル5<下>』 著者:川上稔/電撃文庫
08/16 『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル5<上>』 著者:川上稔/電撃文庫
08/13 『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル4<下>』 著者:川上稔/電撃文庫
2005/08/19(金)AHEADシリーズ 終わりのクロニクル5<下>
(刊行年月 2005.07)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:川上稔/イラスト:さとやす/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
この巻の見所は何処か? と問われたら、胸を張って声を大にして「全頁」と即答し
ます。凄かった! 熱かった! 面白かった! この分厚さで無駄な要素が全く見当た
らない。むしろこの分厚さでなければおそらく多くの知りたい事が納得のゆく形で掴め
なかっただろうし、この分厚さだからこそ充分な“答え”を描き切れたのだと思う。
佐山と新庄が追っていた過去との遭遇、四兄弟のそれぞれの概念との戦い、挫折の底
から見事に飛び立てた風見の復帰戦、軍の総攻撃対UCATの防衛、ハジが語るLOW
−Gの大罪と世界の真実、全竜交渉部隊を一時解散させた真意、そして佐山本領発揮の
交渉戦と最後の決着。これまでずっと知りたかったほぼ全てがここで得られました。
ハジの語りに魅入られつつも言いようのない絶望感を叩き付けられますが、佐山の交
渉話術によって圧倒的優位に立つ逆転劇の爽快感を味わわせてくれる。特にこの第三十
四章『偽の世界』から最終章までの盛り上がりは圧巻の一言。脳内テンションが上がり
っ放しでオーバーヒートしそうでした。もうキャラ別に細かい部分まで拾っているとき
りがないのですが、多くに活躍の場が与えられていて簡単には書き尽くせそうにない。
真実が解かれたと同時に新たな火種も投げ込まれてしまった訳ですが、各Gとの交渉
はとりあえず一段落。ただ、これから臨まなければならない“本番の全竜交渉”や、各
Gが今後LOW−Gに対してどんな感情を抱くか、などが気になる所でもあります。次
で一気に結末まで駆け抜けてしまいそうな勢いも感じられるけれど果たしてどうか。
既刊感想:1<上><下>、2<上><下>、3<上><中><下>、4<上><下>、5<上>
2005/08/16(火)AHEADシリーズ 終わりのクロニクル5<上>
(刊行年月 2005.06)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:川上稔/イラスト:さとやす/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
ああそっか、既に6、8、9、10の概念核はUCATが所持してたのね。ちゃんと
説明なり描写なりがあったんだろうけど、見落としてたか忘れてしまってたか。なもん
で、まだまだ見えないと思っていた物語の終幕が一気に迫って来たような印象でした。
さあ、いよいよ本腰を入れて様々な過去と向き合うという期待していた展開に進み始
めたぞ。これまで掴ませてくれなかった事実が徐々に浮上している最中。上巻のみでは
さすがにまだしっかりと握らせてくれませんが、初めて『軍』の意向(或いはハジの意
向)を明確に示してくれた点は大きい。とは言っても未だ隠している部分の方が多いの
だろうけど。『軍』の進撃準備は万端なので、今回は下巻への“溜め”と言った所か。
一方全竜交渉部隊の面々は、佐山の進言で色々とぐらぐら揺れている。答えが得られ
ず倒れたり傷ついたり思考の深みに落ち込んだり。佐山が決定付けた理由も意味もある
のだろうし、これから先へ進む上で必要な事だとも思うのだけど、真意が解かれるのは
それぞれの過去を納得の行く形で手にした時……だろうか? 佐山と新庄不在な上、迷
いの中7th−Gとの交渉も完全に押されっ放しなんで、下巻での逆転に期待したい。
しかし今回は……変態度数が激増の佐山、鳥と胸の話題でひたすら原川とズレた会話
を繰り広げるヒオ、全流交渉部隊菌に塗れて変態キャラ化が著しい竜司、どれだけ虐げ
られても全く堪えず懲りずにはしゃぐ大城老。変人濃度がいつにも増して高かった。
既刊感想:1<上><下>、2<上><下>、3<上><中><下>、4<上><下>
2005/08/13(土)AHEADシリーズ 終わりのクロニクル4<下>
(刊行年月 2005.01)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:川上稔/イラスト:さとやす/メディアワークス 電撃文庫]→【bk1】
過去の記憶が多方面から浮かび上がり過ぎて追い切れねぇ〜。今回(も)ちょっとだ
け頭から煙が出た。ぷすぷすと。把握出来ない部分は現時点で明確にする気がない……
ってのは分かっているので、ハッキリする時まで放置しときゃいいと思うのだけど、獏
の誘いで頻繁に過去の映像を再生させられると、それが断片的だから余計に気になる。
4th−Gとの交渉は謎掛けみたいなもんでしたが、予想してたより無難に片付たか
ら「もう終わり?」ってな具合だった。もっとも、4th−Gのムキチは佐山の姓の者
と交わした約束が果たされるのを待っていただけで、それが叶う事こそを望んでいたの
だから、意味さえ解いてしまえば最初から難しい事態にはならないのは確実だったろう
けど。しかし実質今回の交渉役としての佐山の働きはこれだけなんだよね。ロジャーと
の駆け引きはなかなか読み応えありでしたが、やはり新庄への行為ばかりが頭に残る。
中盤以降の主役は完全に5th−Gとヒオ・サンダーソンと原川、そして彼女と彼が
駆るサンダーフェロウと黒陽との意志と意志との激突。この物語、特に目まぐるしく状
況が変化する動きの激しいアクションシーンを本当に毎度毎度熱く魅せてくれる。
役者は揃った。あとは前へ前へと突き進むのみ。という現状らしいので、一気に知り
たい部分が見えて来るのかどうか。おそらく全竜交渉を進める上で、未だ謎多い『軍』
との衝突は避けられないだろうから、次はその辺りを中心に描いて行くのかな?
既刊感想:1<上><下>、2<上><下>、3<上><中><下>、4<上>
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