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05/31 『京四郎と永遠の空 ―前奏曲―』 著者:植竹須美男/富士見ファンタジア文庫
05/30 『ICE かくて愛は凍りついた』 著者:平野靖士/富士見ファンタジア文庫
05/30 『鋼殻のレギオス5 エモーショナル・ハウル』 著者:雨木シュウスケ/富士見ファンタジア文庫
05/29 『とりあえず伝説の勇者の伝説9 全力のドロップアウト』 著者:鏡貴也/富士見ファンタジア文庫
05/29 『死神とチョコレート・パフェ3』 著者:花凰神也/富士見ファンタジア文庫
05/29 『マテリアルゴースト4』 著者:葵せきな/富士見ファンタジア文庫
05/29 『クジラのソラ02』 著者:瀬尾つかさ/富士見ファンタジア文庫
05/27 『抗いし者たちの系譜 再始の女王』 著者:三浦良/富士見ファンタジア文庫
05/25 『ロケットガール3 私と月につきあって』 著者:野尻抱介/富士見ファンタジア文庫
05/24 『黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで』 著者:細音啓/富士見ファンタジア文庫
05/24 『太陽戦士サンササン』 著者:坂照鉄平/富士見ファンタジア文庫
05/24 『BLACK BLOOD BROTHERS(s)3 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集―』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
05/18 『七人の武器屋 戸惑いのリニューアル・デイズ!』 著者:大楽絢太/富士見ファンタジア文庫
05/17 『紅牙のルビーウルフ5 宝冠に咲く花』 著者:淡路帆希/富士見ファンタジア文庫
05/16 『ぼくらのみかたん。黒森高校未科研です』 著者:富永浩史/富士見ファンタジア文庫
□2007/05/31(木)京四郎と永遠の空 ―前奏曲―
(刊行年月 H19.02)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:植竹須美男/原作・イラスト:介錯/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
同名コミックのノベライズ。今年1クールでアニメ化もされたそうな。ちなみに私は原
作コミック未読でアニメも一切未視聴。……正直な所、何で原作知らんのに小説版手に取
ってみようと思ったのやら。その時の自分の考えが全く思い出せんな〜。あらすじに興味
を惹かれて、「原作知らずで何処まで読めるか試してみようじゃないか!」とか何とかし
ょーもない事考えてたのかも知れない。とりあえずさくっと結論から言ってしまうと――
物語の舞台背景とか設定、それにキャラクター達の相関関係に現在置かれている状況など
など、簡潔であっさりしていながら手軽に手早く把握出来る描き方でなかなか良かったん
じゃないかな〜。原作知らずでも結構行けるし、逆に原作へ興味が向く仕掛けも多い。
ただ、それでもやっぱり原作既読が前提で描かれている箇所も少なくない訳で(とりわ
け妄想性質らしい白鳥くうの存在。彼女がこの物語の中でどんな役割を担っているのかサ
ッパリ分からなかった)。興味が冷めない内にコミック版の方も読んでみたいと思う。
□2007/05/30(水)ICE かくて愛は凍りついた
(刊行年月 H19.02)★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
[著者:平野靖士/イラスト:玲衣/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
小説初出のオリジナルストーリーではなくて、『ICE』というOVA作品に関連した
ストーリー。どうやらそういう位置付けな模様。あとがきによる著者解説を眺めてみた限
り、この小説版が大元の原型で、紆余曲折を経てOVA『ICE』の完成版の形になった
……という具合なのかな? 一応把握するのを目的に公式サイトに飛んでみた所、確かに
主要キャラクターの名前は同じだけど容姿は別人だった。あと作品の雰囲気とかも微妙に
異なっているような気もする(この辺りは実際アニメを観てみないと分からないけど)。
んで、前置き終えて肝心のこの小説版の内容。男が絶滅し女だけになった世界。荒廃し
尽くした世界で人類絶滅を回避しようと暗躍する女達。設定に関してだけ言えば非常に興
味を惹かれる面白味があるのだけれど、如何せん展開速過ぎで説明不足の描写不足なのが
頂けない。これを“マコトという一人の少女が語る回想録”として捉えるなら何とかなる
のかも知れないけれど、一つの物語として捉えると「う、うぅん……」と唸ってしまうよ
なぁ。OVAに興味を引かせる為の足掛かり的なアイテムと捉えておくのが無難かも。
□2007/05/30(水)鋼殻のレギオス5 エモーショナル・ハウル
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:雨木シュウスケ/イラスト:深遊/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
どうにも今まで推進力不足を感じてばかりで、イマイチ物語に乗り切れてなかったんだ
けど、今回ようやっと来たよ〜。これだこれ、この力強い手応えを待っていた! 自律型
移動都市(レギオス)の中枢・電子精霊の謎に深く足を踏み入れ始め、ずっとふらふら〜
っと泳ぎっ放しで煮え切らなかったレイフォンの気持ちの方向性がしっかり定まり、学園
都市対抗の武芸大会開戦が近いという予兆があり、そして遠くグレンダンでレイフォンの
帰りを待っていたリーリンが遂に決意を胸に旅立つ。これだけ様々な箇所で活発な動きを
見せてもらえると、やっぱり盛り上がりも段違いで面白いよね。前巻までと違うなと感じ
たのは、曖昧に済まされる所が減り、逆に具体的に明確に示される所が増えてきたから。
ただひとつ、物凄く気になったままなのが「おい! 終盤で廃貴族に触れられたニーナ
って結局どうなったの!?」って事。完全に投げっ放しで終わっちゃったので、ちょっとく
らいフォローが欲しかったんだけど(まあ次でハッキリするだろうから然程心配はしてい
ない)。あとはドキドキワクワクな今後のリーリンの動向。どうなるか楽しみだな〜。
既刊感想:1、2、3、4
□2007/05/29(火)とりあえず伝説の勇者の伝説9 全力のドロップアウト
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:鏡貴也/イラスト:とよた瑣織/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
相変わらずシオンには不眠不休で激務を押し付けられた挙句騙されてまた激務を押し付
けられ不眠不休に陥り(以降エンドレス)、フェリスには剣で脅されだんご話で困らされ
難事が起きる度に「何とかしろ」と問答無用で蹴り飛ばされまただんご話で困らされ剣で
脅され(以降エンドレス)……あ〜、え〜と、近い将来ライナ死ぬよね。多分過労で。
でも、ホントはライナが本気出しゃ何とでもなるんだよな。そんな責め苦を甘んじて受
け続けてるって事はつまり……ライナはドMってことかっ!(何を今更) 元々虐げられ
るのが好きな体質なのか。それともシオンとフェリスだからなのか。どうなんだかね。
今回はシリアス。それもかなりの。おお〜『とり伝』の中では珍しい。しかも長編であ
った『ローランド編』とリンクしている箇所が非常に多くて読み応えも充分。ライナの視
点だけでは見えて来なかった、“ローランドの暗部の奥底の裏側”なんてややこしい部分
がちらほらと。こういうの見せられると早く長編第2部が読みたくなってしまうよなぁ。
既刊感想:『伝説の勇者の伝説』『とりあえず伝説の勇者の伝説』感想一覧
□2007/05/29(火)死神とチョコレート・パフェ3
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:花凰神也/イラスト:夜野みるら/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ちょ、そりゃねぇぜイリス様! な真相に思わず吹き出してしまった。まあそんな事だ
ろうとは思ってたけど。報告書偽造してまで神名とナギの存在を救ってあげた時は「本当
は思いやりという優しさを持ち合わせている御方なんだな」と思ってたけど、もしかして
気のせいだったか? 結局巡り巡って自分の利益になる事だから救いの手を差し延べる行
動を起こしたってだけなのか? なんつーか、ひでぇ上司もいたもんだ。……でも、それ
でも微かな優しさをちらつかせるのを忘れないから傍若無人な振る舞いも許せてしまう。
と、またもやイリス様の事を熱く述べてしまったがまあいいや。今回は「サラさん良い
娘だよサラさん」に尽きる。(力を込めて)ほんっとに良い娘だよ〜。問題多い奴らの中
で数少ない良心。物凄い勢いでサラに惹かれてしまったぞ。万一神名とナギと三角関係に
なっちゃった場合、サラに肩入れしたくなる程に(ま、大親友同士が恋敵になっても誰も
救われなさそうだし、この物語に重苦しい空気は求めてないので、あまり望んでもいない
んだけど)。今後はナギの変則的な状態を神名が真剣に考える方向に動きそうな予感。
既刊感想:1、2
□2007/05/29(火)マテリアルゴースト4
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:葵せきな/イラスト:てぃんくる/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
冒頭から既に『最悪』が起こりうる予兆を蛍自ら示唆していたし、途中にも幾つかわざ
と目立つように足跡を残していたので、幾らかの覚悟は抱えて読み進めていたつもりだっ
たのだけど…………………………………………こんな幕引きってアリなんですか?
どうやら私には覚悟がサッパリ全然これっぽっちも足らなかった模様。完結間際にこん
な想像の遥か頭上を行く吃驚仰天な仕掛けを施すって事は、きっとこのままじゃ終わらせ
ない更なる驚くべき“何か”を用意しているに違いない。そうでも思い込まないと茫然自
失状態から抜け出せない……。一時の幸せの絶頂も、奈落の底へ突き落とす為の味付けに
過ぎなかったとは、何て嫌らしい攻め方だよ! “何故?”が判明せず、起こった事実だ
けが突き付けられるこの痛さが堪らない。でも、きっと幸せな結末が訪れると信じてる。
既刊感想:1、2、3
□2007/05/29(火)クジラのソラ02
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:瀬尾つかさ/イラスト:菊池政治/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
《ゲーム》の中での戦略、戦術を見せる事が主目的ではなくなりつつある展開。急激に
ペースアップで物語を動かしてきたな、と感じられたのはその辺りが原因か。<ジュライ〉
のメンバーががどういった手段を用いて相手チームと戦い、どんな心境を抱えて勝ち抜い
てゆくか? その過程が物語の主軸として描かれるものと思っていたのだけれど、この流
れだと自分の中でちょっと“楽しみ所”というやつに軌道修正を入れねばならんかなぁ。
元々《ゲーム》での競技そのものに面白味を見出し始めていた身としては、こういう風
に速攻で進展させられてしまうと何となく物足りなさばかりが残ってしまう訳で。ただ、
他に最重視で描かなければならないポイントもしっかり姿を見せて来てはいるので、今後
の興味を速やかにそぢら側へ移せば充分楽しめるかなと。正直まだ提示された色々な要素
が頭の中で噛み合わなくてモヤモヤした気分なんだけど、次でスッキリ出来るかどうか。
既刊感想:01
□2007/05/27(日)抗いし者たちの系譜 再始の女王
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:三浦良/イラスト:KIRIN/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
シリーズ第4巻。一応これで一区切りとの事。今回は初代魔王対現代魔王。両者対峙の
中で、この世界における魔物とは? 魔族とは? 魔力とは? ……など、“魔”にまつ
わる幾つかの問い掛けと、明確な解答に至るまでの道程を描いたものが今回の中心点。
ま、正直な所、希望と現実の差が広がり過ぎてしまってちと残念だったかなぁと。結局、
常にこの物語に対して私が描いて欲しいと切望していたものって、「ラジャスへの赦され
ざる想いで冷静なるサラ様の心の内を目一杯掻き乱してくれ!」という事だったから。
そういう要素が皆無でないのは幸いと思うのだけど、やっぱり控え目だよねぇ。とは言
え、サラは完全に心の奥底で押し殺しているし、ラジャスに至っては誰かに好意的感情を
抱く事がそもそも有り得ないような御方だから、あえて盛り上げないように抑えているよ
うにも見えていたけれど……実際にはどうなんだろうね。この先続いたとしても、サラが
秘めた想いを打ち明ける事はないのかも知れない。最後の最後でサラがラジャスの名前を
素直な気持ちで呼べた事、この瞬間に立ち会えただけでも満足と思うべきなのかなと。
既刊感想:逆襲の魔王、虚構の勇者、覇者の魔剣
□2007/05/25(金)ロケットガール3 私と月につきあって
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:野尻抱介/イラスト:むっちりむうにい/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ロケットに乗った事はない。月面に降り立った事もない。月から地球を眺めてみた事も
ない。そんなの当たり前。一体何をのたまうか。……でも、行った事も見た事も体験した
事もないのに“その気”にさせてくれる。宇宙へ飛び立つロケットの振動が直に伝わる。
月の地面が、蒼い地球が鮮明に映る。勿論頭の中の想像でしかないのだけれど、文章表現
だけでここまで膨らませてくれる巧さって凄い。ゆかり、マツリ、茜の実体験の数々を読
んでいるこちらも疑似体験。月から地球を見た時は思わず泣きそうになってしまった。
すっかり慣れたトラブルも、今回のやつには冷や汗タラタラ。む、無茶するなぁ……ス
ケート履かせて月面横滑りとかさ〜。それなのに何故だか「絶対に大丈夫!」と思えてし
まう安心感がまた妙に不思議な所。さあ果たして次はどんな体験をさせてくれるのやら。
既刊感想:1、2
□2007/05/24(木)黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:細音啓/イラスト:竹岡美穂/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
第18回ファンタジア長編小説大賞『佳作』受賞作。
『名詠式』。既存の要素を自己流にアレンジし、うまく物語の中に組み込み最大限に効
果を発揮する事が出来る。そんなアイディア、センス、素晴らしいものだと思う。“受賞
作の中に見せて欲しいモノ”って言うのかな? それがこの物語には一杯詰まってた。
かつて交わした二人だけの大切な約束。一人は見事成功を収め世間からの脚光を浴び、
もう一人は自らの夢を現実に変えられたのかどうかも分からぬまま世間からその姿を消し
てしまう。……でも。自分自身の成果に本当に納得出来たのは、果たして二人の内のどち
らだったか? 個人的に印象に残っているのはここ。ネイトやクルーエルには申し訳ない
が、常に頭の中で優しく鮮明に響き続けていたのはイブマリーとカインツの約束の方だっ
たから。約束を果たせた嬉しさと喜びと幸せと、様々な意味での“別れ”の寂しさと、渾
然一体となって描かれたこの二人の結末は実に素敵なものでした。まあネイト、クルーエ
ルの若き名詠式の二人は次に期待するとして。今度はもっとお互いが相手を意識するよう
な関係に発展して欲しいなと思う(今回はあくまで“出逢い”が中心だったからね)。
□2007/05/24(木)太陽戦士サンササン
(刊行年月 H19.01)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:坂照鉄平/イラスト:Ein/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
第18回ファンタジア長編小説大賞『準入選』受賞作。
表紙・口絵のイメージでは変身ヒーローアクション。仮面ライダーみたいな。追加要素
で『熱血』『コメディ』とか。でも実際はイメージと全く逆の要素が満載。深く静かに闘
志を燃やし、派手に勢い付けて飛ばすのではなくあえて駆け出しそうな感情を押し殺して
冷静になろうとするタイプであり、時に強い重苦しささえ感じる程にシリアスな内容。
これは読み手側を引っ掛けようと狙ってやってるようにしか思えないんだけど……考え
過ぎだろか? まあ裏切られたのが良い方向に転んだか、それとも悪い方向に転んだか、
どちらかと言えば……どちらとも言えず。半々ってとこかな? 好みとしてはもっと軽い
ノリの方が良かったんだけど、終盤は鉄斎の心の奥底に燃える闘志大解放で非常に熱い展
開を見れて割と満足させられたりも。ただ、異世界での事や7年前の事、この辺はもっと
詳しく知りたかったかと。さて続きはあるのかどうか……出来れば重くない方がいい。
□2007/05/24(木)BLACK BLOOD BROTHERS(s)3 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集―
(刊行年月 H18.12)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:あざの耕平/イラスト:草河遊也/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
極めて危うい均衡の上に成り立っていた特区の秩序が崩壊する前のお話。コミカルな内
容一辺倒ではなく、シリアス寄りであったり重苦しい部分もあったりで、幾つかの違う味
を楽しめるのが短編集の特徴か。長編だともう腹の底から馬鹿笑い出来る状況じゃなくな
ってしまっているので、今回で言うと宝くじ騒動やミミコとサユカの飲み対決みたいな面
白エピソードって今となっては貴重なのかな、とか。私はこの辺りが特に好きだな。
過去編『クロニクル』では世界恐慌が起こる直前から直後を生きるジローたちのエピソ
ード。こちらは中編作ながらじっくり腰を据えて読ませてくれる感触はこれまで通り。記
憶に留めておくべきはアリスの変調、かな? 今後どう影響してゆくかという事で。
既刊感想:1、2、3、4、5、6
(s)1、2
□2007/05/18(金)七人の武器屋 戸惑いのリニューアル・デイズ!
(刊行年月 H18.12)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:大楽絢太/イラスト:今野隼史/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
シリーズ第5巻。おおお! マーガスよく言った! 偉い! お前は立派な漢だぜー!
と、極限状態の下での告白シーンに大興奮(相手が誰かは言わずもがな)。正直マーガス
って“どうしようもなく切羽詰まった状況でも絶対告れないヘタレ野郎に間違いない”と
思ってたのだけど、もう目一杯頭下げて「ゴメン!」と言いたい。いや〜見直したよ。
んで、基本的に軽いノリ時々重く沈み込んだ後勢い任せの大熱血展開、な物語も今回で
一応『第一部完』との事。最後を飾る今回の主軸は“エクス再建”ではなく、以前から度
々マーガスが考え込んでいた“エクスの先にある進むべき道”の選択。主にマーガスとイ
ッコ。本当はエクス・ガリバーの経営をもっとじっくり続けて、その内岐路に立たされる
事となる七人それぞれの進路を描いて欲しかったんだけどねぇ。特に凄く好きなシリーズ
だから、こんな風に全てを出し切れぬまま新たな旅立ちの一歩を踏み出す姿が描かれても、
「納得出来たか?」と問われたら正直首を横に振りたくなる訳で。とは言っても決まった
ものは受け入れるしかないので、あとは「是非とも第二部開幕を!」と切望するのみ。
既刊感想:レジェンド・オブ・ビギナーズ!
結婚式をプロデュース!
天下一武器屋祭からの挑戦状!
激突!武器屋VS武器屋!!
□2007/05/17(木)紅牙のルビーウルフ5 宝冠に咲く花
(刊行年月 H18.12)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:淡路帆希/イラスト:椎名優/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
神具奪還の為に王都を離れ、遥か彼方の離島で神具を巡る陰謀に巻き込まれちゃってさ
あ大変……の巻。その後編。エリカは裏切るわ、ミレリーナは拉致されるわ、更にルビー
ウルフは敵の罠にはまって一時ながら洗脳状態にさせられるわで、気がつけば単に神具奪
還すれば済む問題じゃなくなってた。幸い大体ほぼ全ての危機的状況は解決へと導かれて
一先ず良かった良かったと胸を撫で下ろす。ただ、今回舞台となったローラティーオー島
から離れた地で謎の暗躍が描かれていたり、不気味な懸念が幾つか残されていたりも。
結局の所。今回で野望のひとつは潰えたけれど、まだ表に出ていない他の陰謀が幾つも
残されている、と言った具合か。一旦眠りについた神具。そもそも『神具』とは? その
“存在”と”意味”と。これまで提示されたもの以外でまだ何かが隠されている気もする
のだけれど……さて? どうやら神具絡みの展開に傾いて行きそうな気配の今後に期待。
既刊感想:1、2、3、4
□2007/05/16(水)ぼくらのみかたん。黒森高校未科研です
(刊行年月 H18.12)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:富永浩史/イラスト:日向恭介/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
この『奇人変人大集合!』なノリと勢いは大好きだ。「は? 皆さん何を言ってるんで
すか? 僕は常識的な一般人ですよ? こんな変人先輩方と一緒にしないで下さいよあは
はは……」とか何とか、最初の内は認めたくなくて上辺だけ取り繕っている風だった勇も、
結局は自分でもそうなんだと認めてしまう程の真性ロリペド野郎だったしな! いや、そ
んなどーしようもなく救い難い性癖を持ち歩いてウロウロしてる主人公も大好きだが。
しかし、理系の成績に優れた学校とは言え、たかだか一介の未来科学研究部が人間そっ
くりな少女型二足歩行ロボットなんぞを開発作製出来るもんなのか……なんてツッコミは
やっぱり控えた方がいいんだろうか?(と、とりあえずあまり深くは触れずにそっとして
おこう)。中身はロボットコンテスト出場を目指すものであり、みかタンの知能を育てて
ゆく育成シミュレーションであり、コンテストでの対戦を見せるものでもあり。ただ、ど
れももう一つ盛り上がり切れてないかなぁと言うのが正直な所。あとみかタンの存在感が
脇役以下なのは結構致命的弱点だったような。挽回の為にも続きを読ませて欲しい。
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