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05/31 『七人の武器屋 結婚式をプロデュース!』 著者:大楽絢太/富士見ファンタジア文庫
05/30 『殺×愛1 ―きるらぶ ONE―』 著者:風見周/富士見ファンタジア文庫
05/28 『紅牙のルビーウルフ2 面影人魚』 著者:淡路帆希/富士見ファンタジア文庫
05/23 『約束いんぽっしぶる となりのあの娘は狙撃兵』 著者:六甲月千春/富士見ファンタジア文庫
05/22 『煉獄のエスクード RAINY DAY&DAY』 著者:貴子潤一郎/富士見ファンタジア文庫
05/21 『鋼殻のレギオス2 サイレント・トーク』 著者:雨木シュウスケ/富士見ファンタジア文庫
05/20 『BLACK BLOOD BROTHERS4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲―』 著者:あざの耕平/富士見ファンタジア文庫
05/19 『<骨牌使い>の鏡I』 著者:五代ゆう/富士見ファンタジア文庫
05/18 『マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号』 著者:東亮太/角川スニーカー文庫
05/17 『マリア様がみてる くもりガラスの向こう側』 著者:今野緒雪/コバルト文庫
05/17 『吉永さん家のガーゴイル8』 著者:田口仙年堂/ファミ通文庫
05/16 『吉永さん家のガーゴイル7』 著者:田口仙年堂/ファミ通文庫
□2006/05/31(水)七人の武器屋 結婚式をプロデュース!
(刊行年月 H18.02)★★★★★★★★★☆(9/10)
[著者:大楽絢太/イラスト:今野隼史/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
至る所で突っ込まれてるけど……"ライブウィンドウのホリィ"ってそりゃ突っ込みた
くもなるわな。あ、でも刊行時期がタイムリーだっただけで、執筆当時は別にやばくも
なんともなかったのか。今じゃ過ぎた事ながら思いっきり喰らいついてしまった。
まあそんな事はさておき、今回は何はともあれノン良かった〜。最後の盛り上がり最
高潮な結婚式もそうだけど、結婚したら辞めると言ってたエクス・ガリバーに残留して
くれたのも。だってさ、もしメンバーの緩衝材にして和ませ役のノンが辞めてたら、多
分勢い任せで無謀に突っ走るのを止める奴が誰も居なくなる所だったぞ(実はそういう
役割はドノヴァンが担ってると思ってたんだけど、今回の事でアテに出来なくなった)。
ストーリー展開よりも、キャラクターの個性を最大限に引き出して描く事を重視した
内容は前巻と変わらず好感触。こういうキャラクターの魅力をぐいぐい前面に押し出し
てくれる作品は元々私の好みなのだけど、特にこの物語のキャラクター描写はどこを取
っても凄くいいな〜と思わせてくれる程に好き。ほら、あれだ、『一人は皆の為に、皆
は一人の為に』なんてどっかで聞いたような言葉がこの七人にはしっくりはまるなと。
今後は多分イッコが言ってた「武器屋経営はゴールなんかじゃなく、その先で何かを
目指す為の通過点に過ぎない」みたいな事が問題として浮かび上がってくるんじゃない
かな? やがて訪れるだろう岐路へ向かう個々の心境を存分に見せて欲しい所。
既刊感想:レジェンド・オブ・ビギナーズ!
□2006/05/30(火)殺×愛1 ―きるらぶ ONE―
(刊行年月 H17.11)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:風見周/イラスト:G・むにょ/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
椎堂密ってやつはどうにも同調し難い主人公像だな、と。でも彼の置かれている状況
やそこから積もり続ける空虚な感情を考慮すれば仕方のない事か……とも思いつつ、傍
から眺めていると無力感や諦めや投げやりな気持ちが巧く乗っているなという印象。
てな具合の密の一人称に溺れもがきながら、前巻滑り込みで登場を果たし今回からメ
イン参戦の咲夜を交えた続きを追う。ようやく本編スタートな手応え。天使との戦いは
控えめで、クラスメート達と相容れない咲夜を何とかして馴染ませようと画策する辺り
が主な展開。単に口に出して「恋愛しよう」「お前が好きだ」「私を好きになれ」では
お話にならず、更に人付き合いに疎く恋愛がどういうものか全く知らないのでは益々お
話にならず。恋愛以前の友人関係からステップアップを図る咲夜のどぎまぎ奮闘記……
にしか見えなかったのは気のせいだろうか? クラスメートの輪に加わって馴染んでゆ
く咲夜の姿は、刻一刻と世界崩壊が近付いている中で妙に和んでしまうもので。
まあそんなのも全て密が目的を遂げる為の手段なわけで、どうしても結局好感度は下
がってしまう運命なのでしたと。ただ、密の過去(世界の最期を見届ける存在"オメガ"
に選ばれたからの中学時代)が幾つか描かれた事で、多少思い入れるだけの余地は出来
たかなと(実妹・微との恋愛とその結末は結構ショック受けた)。これから咲夜との擬
似恋愛がどう転がるのか楽しみだけど、私が来夏贔屓なのは何処までも変わらない。
既刊感想:0
□2006/05/28(日)紅牙のルビーウルフ2 面影人魚
(刊行年月 H18.02)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:淡路帆希/イラスト:椎名優/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
本来は正当な王位継承者としてグラディウス王国の玉座に就いたのに、「あたしは盗
賊として国を乗っ取って支配下に置いたんだ」と頑として譲ろうとしない当の本人ルビ
ーウルフ。更には王宮での着飾った生活は堅苦しくて仕方がない、と文句を垂れては快
活な服装を好んで着たりとか。生まれも育ちも考え方も女王としては規格外の彼女がど
うやって一国を纏め上げてゆくのか? 前巻の満足度が高いものだった続刊として、こ
の辺りの要素を割と楽しみにしてたのだけれど、なんと国外へ出てしまったのか。
しかしまあこれはこれで。個人的には非常に好みなファンタジー色は今回も衰える事
のない充分な描写で、ルビーを筆頭に好感度の高いキャラクターの魅力も存分に発揮さ
れていて良かった(新キャラのラークだけはちょっとアレな性格でぶっ飛ばしたくなる
くらい鬱陶しい奴だったけど、これもある種魅力の内か)。ルビーについては前巻程の
鮮烈な印象ではなかったけれど、血気盛んな盗賊の頃と比べて、僅かずつながら女王と
しての自覚から心構えに変化が見られたかなと。自国から離れていた上に国政とはあま
り関わらない出来事だったから、明確な心の動きは掴ませて貰えなかったけれど。
次はどうなるかな〜? 女王が国を離れても大丈夫って事は、そんなに国内が荒れて
いるわけでもないみたいだし。そうすると傾いた国を建て直すという程の厳しさではな
いのかも。果たして自国へ戻ったルビーはどんな役割を見せてくれるだろうか。
既刊感想:1
□2006/05/23(火)約束いんぽっしぶる となりのあの娘は狙撃兵
(刊行年月 H18.05)★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
[著者:六甲月千春/イラスト:神無月ねむ/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
ぬああ、何か自分でもびっくりする程波に乗れなかった。小ネタが当社比三パーセン
トだったから? 確かにそれもある。前シリーズの良き部分と同様の期待を寄せ過ぎて
たんだなぁ、なんて思ったりしてたもの。でも折角の新シリーズなんだから、そんな小
ネタにばっかり面白さを求めるように執着してないで、他の面白さってやつを探してみ
ようじゃないか! ……ってあちこち見回してたんだけど見付けられなかったよぅ。
コメディと、シリアスと、未紗の能力の事と、敵側の少年の事と、怜央の過去と、怜
央と未紗の幼少時の約束の事と、これらの要素が物語の中であまりうまく噛み合ってな
いように感じられた。で、どれも中途半端さがあって、何を重点的に描きたかったのか
途中でぼやけてしまった辺りが不満点。未紗の能力や怜央の過去なんかはもっと描写し
て欲しかったのに割とさらっと流されてたし、敵の少年は結局正体不明のままだったし
(大体想像は付いているけど)、何より過去の怜央と未紗のこの約束でどうしてここま
で未紗の怜央に対する想い入れが強くなったのかがよく分からなかったんだよなぁ。
未紗との約束にしても怜央が両親を失ったらしい事件にしても、過去の部分は特に掘
り下げて欲しかったのだけど、曖昧さが目立ってしまって残念。ただ、気になる箇所は
ぽつぽつあるので、ここで途切れませんようにと続刊願って待ってみたい。
□2006/05/22(月)煉獄のエスクード RAINY DAY&DAY
(刊行年月 H17.05)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:貴子潤一郎/イラスト:ともぞ/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
一から順序立てないで、いきなり使命やら何やらと語られてしまったらこうなるだろ
うな、と薫の心境に同調する形で読み進めていた序盤の展開。「それってどういう事?」
と理解しようと説明求める前に新しい事実を次から次へと突きつけてくるもんだから、
それらを充分頭で理解して馴染ませるまで結構梃子摺ってしまった。もっとも、薫が使
命とブラディミールを受け入れてから中盤以降は、不足してた部分を埋めてゆく描写の
差し込み方がなかなか絶妙で、最後まで躓く事無く物語に浸り続けられたかなと。
この1巻目で抱えた問題は収束を見せ、更に次巻以降へ楽しみを促す未解決要素もか
なり散りばめられている。今回の面白さに次への期待が上乗せされていた手応えで満足
感は高いものでした。ただ、予想してたのと全く異なる扱いだったのが扉の鍵、レディ
・キィの役割についての事と、関連して現代その名を継いでいるソフィアの事。
これはシリーズ中"ずっと続く"のだと思ってた。だから薫の使命も、護る事か或いは
魔族に扉を開けられそうになったら殺す事、なのかと。確かにそういう使命が全く無い
わけじゃないどころかむしろ重要なのだけど、この結末を受けたらこれよりもっと上に
位置する使命が乗っかるんじゃないだろか? つまり、新たなレディ・キィの存在を探
す事。だとすると今回と同じ事が繰り返し起こる事になるのかなぁ。そこら辺が嫌な予
感ってやつで。でも扉を封印するにも開くにもどの道……だから希望ある未来が描けな
いんだよなぁ。まあそういうの期待すべき物語じゃないのかも知れないけれど……。
□2006/05/21(日)鋼殻のレギオス2 サイレント・トーク
(刊行年月 H18.05)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:雨木シュウスケ/イラスト:深遊/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
誰が最も不憫かって、宛てた人物に届けられる事なく手紙回し読みされてしまったリ
ーリンが不憫過ぎる。てか舞台の学園都市ツェルニから離れていて劇中に本人登場しな
いからって、もうちょっと自粛しろよおまいら(レイフォンが気になって盗み読んだメ
イシェン、フェリ、ニーナの事だ)。結局レイフォンに最初の手紙は届かなかったのだ
ろうか? でも最近方々から好意を寄せられてるのでいい気味だと思わんでもない。
てなわけでレイフォン順調にフラグ立てまくりな続刊。何はともあれフェリがやばい
くらいに可愛くてしょうがない。ちらっと先に眺めたあとがきの「フェリ先輩とドキド
キ同棲生活」を本気にしてしまったじゃないか! くっ……こういうの本編で本当にあ
ったら良かったのに! でも密会のような二人だけの通信でお互いの呼称をどうすべき
かとか、汚染獣に挑もうとしてる緊迫シーンで何喋ってだあんたらは(ちなみにフェリ
はレイフォンはフォンフォンと呼び、レイフォンはフェリは目一杯情愛を込めてフェリ
と呼ばされる事になった模様)。こういういちゃつきがあってフェリが多少リード。
メインになるだろうと思ってた他の学園都市との対抗戦はまだ行われず。レイフォン
への好意云々以外では、彼に本来の実力を見せ付けられたニーナの煮え切らない迷いや
苦悩を描いた部分が中心。こっちをもうちょい重視して欲しかった気もしたけれど、ラ
ストでようやく迷いが吹っ切れてニーナらしさも戻って良かった良かった。
既刊感想:1
□2006/05/20(土)BLACK BLOOD BROTHERS4 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲―
(刊行年月 H17.11)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:あざの耕平/イラスト:草河遊也/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
むぅ……えらい久々(1年以上ぶり)に読んだせいか、これまで語られて来た肝心な
要素が色々頭から抜け落ちてしまったような……も一度最初から読み返した方がいいの
かもなぁ。今回はロンドンを舞台とした過去編で、人間・望月次郎の最期と吸血鬼(ブ
ラック・ブラッド)・望月ジローの始まり、そして連続殺人事件との関わりから護るべ
き大切な存在や現在で深い因縁を持つ存在との出逢いを描いた始まりのエピソード。
読んでる内に少しずつ思い出して来た、かどうか、やっぱり微妙だ。けど、ジローに
とってアリスやカーサがどんな存在かってのは確かに掴んだ(このラストから新たに歩
き出そうとする時点での感触だけど)。自分とは関係ない吸血鬼の存在に深入りしよう
と人間の次郎を突き動かしていたは、結局「惚れてしまったから」が全てなんだなぁと、
そういうのが彼の真っ直ぐな行為にこれでもかと乗っていて凄く良かった。
このエピソードは知りたかったもの。見せて欲しいと思ってたもの。でもまだ始まる
までを描いたに過ぎなくて、現在に至るまで語り尽くせないくらい色々な、本当に色々
な事があったのだと思う。今、ジローとコタロウをを取り巻く環境が何故こうなってい
るのか? まだまだ明かされてない部分も多いから、この過去の続きというのを何処か
で見てみたい。まあその前に忘れてる事を取り戻す為に既刊読み返さなくてはね……。
既刊感想:1、2、3
□2006/05/19(金)<骨牌使い>の鏡I
(刊行年月 H18.03)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:五代ゆう/イラスト:宮城/富士見書房 富士見ファンタジア文庫]→【bk1】
昔同じ富士見ファンタジアで受賞作とその次の作品は買ってた気がするのだけど、読
んだ記憶はさっぱり浮かび上がって来ないので、多分五代ゆうさんの小説読むのは初め
てじゃないだろうか? 元々2001年に富士見書房から単行本として刊行されたそう
で、この文庫版での刊行は3巻分冊。最後に加筆修正の記述があったから、細かい部分
で違いが見られるかも知れない。単行本の方を読んでないので比較は出来ないけれど。
そういや最近じゃあまり見た覚えが無い"ハイ・ファンタジー"という言葉。妙に懐か
しい感覚に包まれてしまうのはやっぱりこういう物語が私の読書原点だからなのか。も
っとも、最近では読む事が少なくなってるから逆に新鮮と感じる所もあったり。
でもこれは一気に通して読みたかったかなぁ。と言うのもこの1巻目では明かされて
ない謎が結構多くて、アトリが垣間見る断片的な描写が実に曖昧でむず痒い(まあだっ
たら単行本読めよって話だけど、ほら、身悶えしながら続きを待つのもある種の楽しみ
じゃないですか、と)。これまで想像もしなかった巨大な運命に翻弄され続ける骨牌使
いのアトリ。真実が殆ど何も分からないまま流れに抗う事の出来ない彼女の行く先は果
たして……運命に立ち向かう強さを掴んで欲しいとアトリに希望を抱いて次巻を待つ。
□2006/05/18(木)マキゾエホリック Case1:転校生という名の記号
(刊行年月 H18.02)★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
[著者:東亮太/イラスト:Nino/角川書店 角川スニーカー文庫]→【bk1】
第10回スニーカー大賞『奨励賞』受賞作。
些細な欠点なんぞものともせず、挑みかかるように意欲的に挑戦的に突っ走る。こう
いうのってもしかしたら私が新人さんに一番求めてるものなのかなぁ、とちょっと読ん
でて嬉しさの笑みが浮かんだ全く大人しくない非常に尖った内容。ただし、最後までど
うしてもこの物語の雰囲気に馴染めず乗っかれずでごめんなさい……という結果。
キャラクターを記号化して物語に配置するという要素は面白いな〜と思いつつ、でも
それ以前に登場人物多過ぎて把握し切れねぇ! と、多分それが躓きを覚えた原因のほ
ぼ全てじゃないかなぁ。キャラクターの記号化も、最初から記号重視で扱われてるのは
実は乙組のごく一部で、殆どはまだ不完全だったりそもそもまだ明らかにされてなかっ
たり。まあ各人の特徴を頭に叩き込むだけで一杯一杯だったので仕方ない所なのか。
でもこれが2巻3巻と続いてゆくのを想像してみると、楽しくなりそうな気がするわ
くわく感が湧き出て来る。今回キャラクターの特性掴むのに四苦八苦してたのは、全員
を充分描くまでにまだまだ不足していたからで、じゃあ裏を返して段々把握出来るよう
になったとしたら? 楽しくなって欲しいと期待を寄せているのはここら辺。客観的視
点で冷静に語り続ける藍子の冷めた雰囲気も癖になりそう。次もこんな調子でひとつ。
□2006/05/17(水)マリア様がみてる くもりガラスの向こう側
(刊行年月 2006.04)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:今野緒雪/イラスト:ひびき玲音/集英社 コバルト文庫]→【bk1】
シリーズ第23巻。妹選びも大事。でも妹選びだけが全てじゃない。そんな風に言い聞
かせられているみたいだった。まあ言い聞かせられている状況、或いはそう自分に言い
聞かせたくなるような状況はもう数巻前からの事だけど。前巻の瞳子絡みを引き摺った
まま、祐巳の妹選び決着編のつもりで期待を寄せて読むと肩透かしを喰らうので注意。
どうも『レイニーブルー』→『パラソルをさして』のように気持ちよく走り抜けられ
なかった。決着ついてないんだから当たり前と言っちゃ当たり前。だから「ああやっぱ
りどう見ても"繋ぎ"にしかなってないよなぁ」と肩を落としてしまいそうなんだけど、
しかしこれ単体に絞ってみると結構面白いから困ったもんだ。くっ、和気藹々で存分に
いちゃいちゃ出来て人間双六も男性陣の乱入も含めて楽しそうじゃねぇか。でも引き延
ばされた瞳子関係の進展も見たいんだよちくしょー。てな歯痒さが何とも堪らない。
まあ最後で祐巳の気持ちの方にだけ、少しは進展らしきのもが見られたのでよしとす
べきかな(何せ肝心の瞳子が今回全く出てないもんだから)。正直あそこまで行ったら
優に頼るかと思ってたけど、よく想いを巡らせ踏み止まったなと。まだ多量に迷いを抱
えている状態で、どんな風に瞳子と向き合うだろうか。今度は延びませんように。
既刊感想:マリア様がみてる 黄薔薇革命 いばらの森
ロサ・カニーナ ウァレンティーヌスの贈り物(前編) ウァレンティーヌスの贈り物(後編)
いとしき歳月(前編) いとしき歳月(後編) チェリーブロッサム
レイニーブルー パラソルをさして 子羊たちの休暇
真夏の一ページ 涼風さつさつ レディ、GO!
バラエティギフト チャオ ソレッラ! プレミアムブック
特別でないただの一日 イン ライブラリー 妹オーディション
薔薇のミルフィーユ 未来の白地図
□2006/05/17(水)吉永さん家のガーゴイル8
(刊行年月 2005.10)★★★★★★★☆☆☆(7/10)
[著者:田口仙年堂/イラスト:日向悠二/エンターブレイン ファミ通文庫]→【bk1】
凶暴なドロップキックを撃ち放つ、現在のやんちゃながきんちょ双葉を仕立て上げた
師匠こと佐々尾さん家のジジイ登場。ただし現世に何らかの未練を残した幽霊となり、
更にはガーゴイルに取り憑いて。元々は双葉がジイさんの墓石をぶっ壊したのが原因の
ようで、早く成仏しないと悪霊になってしまうと分かっているのに逃げ続けるジイさん
に引っ掻き回されての大騒動。いつもは絶対無敵を誇るガーゴイルも、今回ばかりは憑
かれたジイさんと勝手の分からない幽霊に振り回されっ放しで何かと押されまくり。
佐々尾のジイさんをとっ捕まえるべく、御色町の守護霊と名乗る者達が立ち上がるも、
徐々に手段を選ばぬ強行手段を取るようになりガーゴイルと対立する事に。今回は原点
回帰を意識したものだそうで、確かに双葉とガーゴイル中心のエピソード。ただ、少々
物足りなさが感じられたのは、他のレギュラー陣が殆ど絡んでないからだろうか?
あとは佐々尾のジイさんのこの世の未練、少しだけ語られた御色町のルーツ、これま
で御色町を守護して来た幽霊達の事……手広く見せていても個々の扱いが浅かったから、
それぞれの印象が薄くなってしまったとか。どれかの要素を一点集中でやってくれた方
が好みだったかも知れない。とは言え、佐々尾のジイさん絡みでは最後にほろりとさせ
られるもので、いつもの持ち味が存分に発揮されていて読後感も良いものでした。
既刊感想:1、2、3、4、5、6、7
□2006/05/16(火)吉永さん家のガーゴイル7
(刊行年月 2005.04)★★★★★★★★☆☆(8/10)
[著者:田口仙年堂/イラスト:日向悠二/エンターブレイン ファミ通文庫]→【bk1】
"好敵手"と書いて"とも"と読む! 初っ端から繰り広げられる双葉と梨々のガチンコ
バトルが熱い! ん〜強いな女の子。しかしうっかり忘れてしまいそうになるけれど、
二人とも小学五年生の女の子だという事を時折思い出してあげなければならない。
それにしても梨々がこんなに元気な娘で、更に双葉と渡り合える程の強さの持ち主だ
ったとは。どうも錬金術の実験台にされてた頃の弱々しい危うさが強く印象に残ってい
るせいか、ずっと病弱みたいなイメージを持ってたから、この活発さには驚かされた。
『正義』に位置する門番と『悪』に位置する怪盗。前者のガーゴイルと後者の百色、
常に間近で接して来た双葉と梨々の信念が相容れる筈もなく。将来百色みたいな怪盗に
なりたい! と意地になる梨々と、いくら義賊を貫こうとしても所詮盗みは悪い事だ!
と反発する双葉。ま、傍から眺めたら少々過激な子供の喧嘩に過ぎないんだけど。
意外な一面を見せてくれた梨々の将来の夢問題。精一杯悩んで迷って考えての小さな
大奮闘。安定した面白さで今回も満足。百色はちょっとドジ踏んで格好悪いとこ晒した
りしてたけど、最後はきっちり格好よく決めてたし。引き立て役っぽいガーくんも渋い
活躍を見せてくれてたし。何より双葉と梨々の友情を描いた部分が凄く良かった。
既刊感想:1、2、3、4、5、6
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